第51話 Descriptionがゴイスー

にえだと?」

 ベンケーの声には怒気が込められている。

「そうだ…我を崇めるということは、我が崇める『死怒』を崇めていると同じ…その『死怒』をコチラに呼ぶ込むには、コチラ側に住まう命が大量に必要なのでな…」

 ハデスはベンケーを見据えるような視線でベンケーの怒気を正面から受け止める。

「この神殿は、その『死怒』とやらの住まいってわけか?」

「いや…ただの入口だよ」

「そうよね…入れば簡単に出られない、蟻地獄みたいなね…下衆なクソ虫の巣」

 言い放つリーフの目は恐ろしく冷たい。

 クロウとヒトミがスッと構える。

「無理せぬ方がよいぞ…人形ゴーレムに精気を吸われたであろう」

「やはり…死肉で造った人形フレッシュ・ゴーレムだったのね…」

 リーフが倒れてもがいている人形ゴーレムに杖を突き立てる。

「泥に死肉を混ぜて、魂を封じ込め操る…屍人使いネクロマンサー

 グズグズと人形ゴーレムが人の形を保てなくなり崩れていく。

「生憎と、この杖も暗黒属性でね…相性はいいみたい気が合うみたい

「なるほど…精気を吸う人形ゴーレムの魔力を吸い取ったか…」

人形ゴーレムを止めるには、『emeth真理』から『meth死んだ』へ書き換えればいい」

「言うほど簡単ではないのだがね、攻撃を受ければ、対象者から精気を吸い取る死肉人形フレッシュゴーレム、対象者が倒れるまで動き続けることが出来る人形ゴーレムを好きなだけ蹴りまくってくれたキミのペットは、相当に体力を削られているようだし、そもそも触媒の位置を探るだけでも手間だろう…触媒に刻まれた文字を削るなど、離れ業と言わざる得ないね」

「ミゥの攻撃をあれだけ受けてダメージを感じない、そんな生き物いないわ…人形ゴーレムだと解れば、魔力が集中している箇所を探れば、そこが触媒の位置、魔力で刻まれた文字など、この魔力を吸う、素敵なステッキ竜王の杖で消しゴムのように消し去ることなど造作も無い、離れ業などと褒められるほどのモノでもないわ」

 長台詞には長台詞で対抗する、負けず嫌いのリーフ。

(知らずに殴りまくっていた俺の立場って…)

 ベンケーは、自分の学の無さを嘆いた。

 と同時に

(ひたすら疑問も感じないまま、斬りまくっていた拙者(アタシ)って一体…)

 剣技枠の御二人方おふたがたも肩を落としていた。

(とにかく…疲れたにゃ…)

 ミゥは少し眠くなったきた決して魔法ではない


「大神官ハデス!! その首、この大賢者勝手に名乗ったリーフレス・ティメィカァが貰った!!」

(俺に任せるって話は?)

 ベンケーが更に戦意を削がれているゴーレムに体力を奪われ、心を折られた(リーフに)

「さぁ、思う存分やっておしまいなさい!!」

 ビシッとハデスを指さすリーフ。

「えっ?」

 体力を削られ…今しがた、首は貰ったとかナントカ…言っていた張本人大賢者リーフ、まさかの号令係りに甘んじるとは…

(寝ちゃダメなのかにゃ…)


 致し方なく、立ち上がり…構える、迷える戦士たち。

 最終戦の幕は上がった。

 負けるな、リーフの下僕達!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る