第41話 Bare handsがゴイスー
「ゴースト?」
「幽霊よバカね!! ンギャァァァアー」
リーフがヒトミの豊満な胸を鬼女の形相で
「ゴーストですって…」
「厄介ね…」
実体のないゴースト種の類はアンデッドとは違った面倒くさい、厄介な相手なのだ。
この手の化け物に強いのが僧侶なのだが、腕組みしながら
(ゴーストだと…)
通常の武器を受け付けない存在であるゴースト種が相手では、ミゥ、クロウ、ヒトミは戦力外、頼れるのはリーフとベンケー2名だけで相手をしなければならない。
(ロションじゃ無理だわ…)
「リーフ殿…」
クロウがジリッとリーフに近寄る。
気付けば、キャンプファイヤーを中心に綺麗に囲まれていたのである。
「思えば…昼間何も出ないあたりから警戒すべきだったのよ…それをバカみたいにココに居ますよ~と、
ヒトミが最後に『バカ』と言いかけて口を閉じた。
(危ないわ…
「おぉおぉおぉぉぉぉ…」
何やら怨念めいたうめき声が障壁のごとくリーフ達を取り巻いている。
「うかつに動けねぇな…」
ベンケーが呟くと同時に毛を逆立てて威嚇していたミゥが黒い人影のゴーストに飛びかかった。
斬り裂かれた影は一瞬ブワッと舞い上がるように闇夜に溶け、すぐに元の人型に戻りフラフラと動きうめき声をあげる。
シャッとすぐに飛び退いて戻ったミゥの身体が小刻みに震えている。
「気持ち悪いにゃ…寒いにゃ…」
「接触すると、体力を削られるわよ…」
「先に言えばいいじゃない」
「ベンケー殿…」
クロウがベンケーの方を見る。
「あぁ…解っている…この手の相手にどう対処すればいいかくらいな」
スッとローブを脱ぎ、ピチッとした蛍光ピンクのタンクトップとスパッツ姿になる筋肉ダルマ。
「行くぜ!!」
正面の黒い影に向かって突進するベンケー
「天に召します我らが神よ…」
何やら晩御飯の前のような祈りを大声で叫ぶベンケー
「アーメン!!」
ゴウッと影を地面に叩きつけるように唸りをあげるベンケーの拳。
ビターンッ!!
濡れた雑巾を床に叩きつけたような音と共に、影が地面に吸い込まれていく。
「うっしゃ!!」
力こぶを誇示するようにピシャンと叩くベンケー。
「気合だー!!」
(えぇ~)
一同、唖然であった。
「そうなの?…
本の知識などアテにならないものであるとリーフは、しみじみ頷いたという。
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