第40話 Liquorがゴイスー
「クロウ~、ま~だ掛かるんかい?」
リーフの後ろ、大荷物を背負い歩く大男ベンケー、疲れたというより飽きてきたのほうが疲れを誘ったようだ。
いかんせん、魔物はおろか、スライム1匹出てきやしない、のどかな草原を遠足気分で歩いて4時間、ヒマすぎて疲れてきた。
「嬢ちゃ~ん、今日は早めに野宿としようや、なぁ?」
「はぁ~仕方ないわね…」
それが証拠に、いつになく誰よりも
「マシュマロ焼くのよ、今夜は♪」
とても魔王を狩りに行く者のテンションではない。
なんならキャンプのついでに魔王を討伐しにいくような
「マシマロ食べるのにゃー」
「猫舌じゃないのかしら…この子」
ヒトミが心配する、
「ミゥ、ふぅふぅして食べるのよ、絶対に」
「ましまろガブッといくのにゃー」
「いかないで頂戴~」
ヒトミの心配を他所に、すでに魔王討伐を果たした
早めに準備に取り掛かったこともあり、日が沈む頃にはキャンプファイヤーに火が灯される。
「キャンプファイヤー♪は~じまるよー!! 『
「にゃー!!」
リーフの『
「いや~いつみても…最初から
夕闇に
「いや~魔王討伐に出ていることなど忘れそうな静かな夜ね~」
「ウボォ…ウェェェエ…」
数歩歩いたら…酔いが回って草原でリバースしちゃってるヒトミ。
「それにしても静かな夜ね…逆に不気味なくらい…」
1人静かに三日月を眺め遠い目をするヒトミの口元は汚物でキラキラと光っている。
「何かでそうかい?」
「いいえ…
誰かに話しかけられたヒトミが思わず答えて…しばしの沈黙……
「誰?」
クルッと振り返るとソコには…
「ンギャァァァァァー」
「うるさいわ…」
リーフが舌打ちする、手には串に刺した鶏肉が握られている。
「出たーーーー」
「何? 便秘だったの?」
「出たのよーーー」
リーフの背中に
「出たわ」
「何が? アンタ…酸っぱ臭いわよ…やめて貰いそう…うぇ…」
貰うタイプのリーフが細く長い足でヒトミをググッと蹴り剥がそうとする。
「出たのよゴーストよ!!」
「はぁ?」
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