第24話 Corridorがゴイスー

とはいえ…姿が視えないって厄介ね~アタシだけなら問題ないんだけど…

 周りに仲間愉快な奴隷達がいると、四方八方へ魔法を、ぶっ放せばなんとでもなりそうなんだけど…大切な仲間が荷物運びが喰われたままのヒトミがさっきは忘れてた胸だけ女…いるのよ。

「総じて…面倒くさい」

 姿が視えぬ爬虫類を最小限の被害ヒトミの怪我程度始末しなければならないもう無傷で救出とか考えてない

「ホント…面倒くさいヒトミのこと

 薄暗い廊下、スライムを纏っているとはいえ、カメレオンの擬態を侮ってはいけない。

「まったく見えないわ…腹立つ」

 ミゥがフンフンを辺りを嗅ぎまわるが、爬虫類もスライムも無臭なのである。


 ゴンッ…

 リーフの頭をナニカが小突いた。

「…………」

 無言で後頭部を押さえるリーフ。

 ゴゴンッ…

 今度は正面から2度小突かれた…

「……ぶっ殺す……」

 静かに呟くリーフ、何かバカにされているような気持ちで胸いっぱいになった。

 薄いから許容量も少ないらしい。

 左手を正面に構えてスーッと息を吸い込む。

 薄い胸いっぱいに吸い込むと

「死ね…爬虫類、『コー』!!」

 薄暗い廊下に氷柱がぶっ放される。


「ギャッ!!」

 誰の悲鳴か知らないが、慌ててクロウとベンケーが伏せ、スプリガンが部屋に戻る。

「ミゥ、私の後ろに隠れてなさいよ」

 リーフがニターッと笑う。

「死に晒せーーー!! 『コー』ーーーーーーーー!!!!!」

 身体を回転させながら、左手を上下左右、思うがままに動かすリーフ。

 四方八方に氷柱が壁に突き刺さり、あるいは砕け、アッという間に氷の世界。

「ウワハハッハハハー!! 見えようが見えまいが関係あるかー!! 凍らせてブチ砕いてくれるわーーー!!」

 ミゥはリーフの背中にしがみついている。

(さむいんだにゃ…)


 色々、考えてみたがほんの少しだけ、まぁ、見えない相手とはいえ、閉鎖空間であるならば、コレが手っ取り早いのだ単純に喧嘩っ早い


 ゴトンッ…

 石壁からナニカが剥がれ落ちた。

 氷の塊…

「ヒットしたわね~」

 リーフがニタリと笑う。

 氷の塊、それはスライム(クリア種)である。

「そこかな~『カー』」

 石壁目掛けて火球を放つ。

 バフンッ!!

 チリチリと火花を辺りに飛ばしながら火球が弾ける。

「外れた…じゃあコッチかな~『カー』」

 天上に、反対の壁に、気の思抜くままにリーフは『カー』を連発する。

「アヒャハハハハハ」


 とりあえず、ココよりマシかとスプリガンの待つ非難した部屋へと転がり込むクロウとベンケー。

「アヒャハって…嬢ちゃん…恐ぇよ…なぁ」

「まったくでござる、拙者達のことなど目に入っていないようでござったな」


「オメェらも…じゃねぇか?」

「ん?」

 忘れていたが…OUT OF 眼中そういえば、彼も居たのだ。

「なぜココに?」

 ベンケーがスプリガンに尋ねる。

「俺の部屋に俺が居て、なぜココにとは!! コレいかに!!」

 ヒゲ面のスプリガンではあるが、見る見る怒りで真っ赤になっていくのが解る。

(ここにも短気な御仁がいたでござる彼の部屋だから…)

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