第22話 Pencilがゴイスー
「どっちに行こうかな~」
2階にある左右の扉、どっちかは当たり、どっちかは罠だと相場は決まっている。
と…リーフは決めつけている。
なぜなら…1階に扉は3つあった。
1つは氷浸けの
1つはミゥ
1つはリーフの『
「2択ってわけよ」
リーフがビシッと左右の扉を両手をTの字に広げて中央で踏ん反り返る。
時折、1階からモンスターの苦悶の声がエコーを効かせて聴こえてくるあたり、1階という選択肢はない。
『
「
「フハハハハ、2択なら俺に任せな嬢ちゃん」
ベンケーが懐から取り出した鉛筆。
「鉛筆?」
ヒトミが首を傾げる。
「ほう、葵の紋、徳川鉛筆でござるな」
「おう、鉛筆は徳川製って決めてるんでな」
「異国の地で、徳川鉛筆を見るとは…懐かしいでござるよ」
「で? まさか転がすんじゃないでしょうね」
リーフがキレそうな目でベンケーを見る。
「いくぜ!!」
ベンケーが構えた、6角形鉛筆の尻の方には〇×が交互に書かれていた。
扉を開くと、冷たい空気が流れてきた。
暗い通路の先に上がる階段が見える。
その左右に扉が2つ…計4つ。
「よし、別れるわよ」
「なに? なんで?」
ヒトミがリーフを驚いた表情で見た。
「全部の部屋が
「そういうときは、この…」
なにかを出そうとしたベンケーの腹にリーフの拳がいい角度でめり込んだ。
「あみだくじで決めるわよ」
「最初はミゥね」
「ココを開けるのにゃー」
右側奥の扉を迷わずガンッと開ける。
「どう? なんかある?」
躊躇なく入ってガサゴソ、ガチャンと大雑把に荒らしている音だけが通路に響く。
「大丈夫そうね、
「ミゥ、戻って来なさい」
ミゥが走って戻ってくる。
「コレ見っけたにゃ」
リーフに差し出した高そうなブレスレット等、装飾品数点。
「まぁ、お利口さん、はいベロターズオリジナルあげる」
「にゃー♪」
差し出した装飾品の数だけもらえたベロターズオリジナルにご満悦のミゥ。
それをクロウがリュックに詰め込む。
「いい、
「次!!」
ヒトミが左奥の扉の前に立つ。
(嫌な予感しかしないわ…)
ヒトミがゴクッと唾を飲みこむ。
一応、まだしっとり濡れてる忍び装束の袖を口に当てて、そっと扉を開ける。
ギギギッ…嫌な音を立てて扉が開く。
「あっ!! ハズレだ…」
ヒトミが小声で呟いた。
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