第20話 Calciumがゴイスー

「大変だったでござるよ」

 やっとの思いでリーフと合流した愉快な仲間達無自覚の奴隷達

 ジトーッとリーフがヒトミを見ている。

「なによ、しょうがないじゃない、濡れてるのよ動けないのよ渇くまではコレで勘弁してくれない?」

 半ばキレ気味で弁解するヒトミ、紫のレオタードで、その肢体主に胸がリーフの機嫌を損ねたのである。

 身長は、それほど変わらないのに、スタイルが大分違う。

 グラマラスヒトミ VS スレンダーリーフ無いのはお茶葉だけではないリーフレスというかバストレス

「いいわ…動きやすそうね~その恰好紫レオタード

「動けるわ、当社比2.5倍よ忍び装束装着時

「行きなさい!!」

 ビシッと庭を指さす。

「合点承知!!」

 虫歯呪いよりマシだとシャッと機敏に塀を乗り越え庭に下り立つヒトミ。

「シギャァァァァァー」

 ゾンビとスケルトンの注目の的目玉は無いになって歓喜の声を上げるリーフにはそう聞こえたヒトミ。

「にゃははっは」

 逃げ惑う様子が面白いミゥ割とツボ

ざまぁみろ思うツボ、バカ乳が」

 ニタリと笑うリーフ。

「さぁ、程よいタイミングゾンビに噛まれない程度でアンタ達も行くのよ」

「ギャァァァァァー」

 他人様魔王様の庭先で元気に走り回るヒトミ紫レオタードそれに群がる腐乱死体と性別不明の骨。

「にゃははっははー」

 もはや我慢できないミゥ

「猫まっしぐらにゃー」

 楽しそうな鬼ごっこに参戦してしまう。

「しょうがないわね~、さぁ、アンタ達出番よ」

 クイッとアゴで「行け」と指示するリーフ。

「スケルトンは砕くのよ再生不可能になるまでね、ゾンビはアタシが燃やすから」

「一つ聞いておきたいんだが?」

「なによ?」

 ベンケーは真顔でリーフに尋ねた。

「なんでゾンビに噛まれるとゾンビになるんだ?」

「アンタ、曲がりなりにも僧侶なんじゃないの?」

「まぁそうなんだが…」

「アンデッドに強いのが僧侶の持ち味でしょ」

「いちいち耳が痛いんだが…」

「はぁ~、感染するの…」

「ウィルス的な?」

「呪いがよ」

「ゾンビって自然発生しないの、呪いを掛けられた死体が呪いを移そうとして襲うのよ、スケルトンはゾンビが腐りきった状態ね」

「じゃあ、すでに呪われているヒトミは?」

「ゾンビにはならないの、私の方が先に呪いを掛けているからね~」

「では拙者も?」

「ソコは謎ね、刀に掛けられているわけだしね…アンタは微妙ね…噛まれてみれば?ハイリスク、ノーリターン

「遠慮するでござる」

「というわけで、ミゥはゾンビに噛まれるほど鈍くないし、ヒトミは噛まれても平気なはずだから、安心して骨を砕いてきてちょうだい」


 柵の外から絶対安全圏カー』でゾンビを燃やし、クロウとベンケーがスケルトンの手足を砕いて動きを止める。

 ミゥがゾンビやスケルトンの頭をもぎ取ってヒトミを追いかけ回す。

 絶叫が止まらないパニック状態のヒトミ、もはや何から何の為に逃げ回っているのやら…

 ヒトミが木の上で落ち着きを取り戻す頃、静かになった庭に賢者リーフが降り立った。

「お待たせしました、やっと城内に潜入でございます…グフフフ」

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