第17話 Acrobaticsがゴイスー

「決めた!!」

 リーフが突然、何かを決心した。

 タオルに包まれ、たき火にあたる、クロウ、ヒトミ、ベンケーな皆、思った。

(声に出したということは…きっと何かロクでもないことをやらされるのであろう)と…

 その思いは現実となる。

「人間、強く思えば現実バカの一念ほにゃららになるものよね」

良いことも…悪いこともな…主に悪いことは簡単に…

「拙者、泳法は学んでおらぬが…大丈夫でござろうか?」

「落ちなきゃいいのよ♪」

 リーフがクロウにウインクする。


 3人がブツブツ言いながら湖に入る。

「ん? 案外、水の中って温かいのね」

 ヒトミが驚く。

「そりゃオメェ…さっきまで氷浸けだったからだろ…」

「拙者、浅瀬から浅瀬へ移動するのでござるな」

「そうよ、アタシはミゥと正門を目指すわ迷うことなく猫まっしぐら


 ミゥにおんぶされるリーフ身長差40cm見た目は陰湿なイジメが城門を指さす、そして残り3名すでに奴隷に反対側を指さし、

「アッチ側にアンタらが人身御供おびき寄せてる囮作戦決行!!間にね」

 ゴブリンの死体血も滴る生肉を背負うクロウとヒトミ。

 ミノタウロスの脚美味しく焼けた牛肉を背負うベンケー。

一同生餌?、かかれ!!」

 ドボンと湖に身を浸し泳ぐベンケーとヒトミ、浅瀬を掛けるクロウ。

 元気のいい生餌達に満足げに頷くリーフミゥにおんぶされたまま

「バカは元気が一番♪」

「一番にゃ」


 ウォータードラゴンに近づくと、改めて大きさに驚く。

「デケェなおい…」

「長いわ…アホほど」


 湖に漂う血の匂いに惹かれたのか…あるいは焼肉が好きなのか…ウォータードラゴンの巨大な目玉がギョロンとヒトミを見る。

(アタシのほうか~大当たり!!)

「よっしゃ!! ラッキー」

 ベンケーが大喜び。

 どうも濡れた焼肉は興味がないようだ。

 なんのためにクソ重たい脚を背負って泳いできたのか?

 そんなの関係ネェ!! そんなの関係ネェ!!

はい、オッパッピー他人事だと思って!!」

 ヒトミが元気よくゴブリン新鮮生肉をベンケーに投げつける背負い投げ~

オッタマゲーションまさかのキラーパス?!!」

 思わずキャッチしてしまったベンケー。

 全力で岸に向かって泳いでくるベンケーとヒトミ。

 迎え撃つクロウ。

 反射的に刀に手を伸ばすが…抜けるか…

 キチッ…

「まさか?」

 本人もビックリの抜刀であったという…。

「抜けたでござるよー!!」


「なんか向こうは楽しそうね~、先を急ぐわよミゥ、なんか長くは持ちそうにないわアレ、あの様子じゃ…」

「上手く着いたら?」

「そうよ~特別な子にはベロターズオリジナルよ~」

「にゃー♪」

 完全に対岸の火事でパニック映画仲間の大惨事を観ていたリーフが湖面を凍らせ足場を作り、ミゥが器用にわたって行くという上手な魔法の活用法を御披露していた。


 ゼハーッ…ゼハーッ…

 もはや体力の限界泳ぎ着かれてというより生命の危機HP一桁を感じているヒトミとベンケー。

「任せるでござるよ」

 ズイッと前に出るクロウ、その背にはゴブリン瞬間冷凍肉


「飛燕!!」

 クロウの声が湖面に響く!!

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