第15話 Cowがゴイスー
(そもそも、ミノタウロスって迷宮にいるんじゃないのかしら?)
ワラワラと湧いて出るゴブリン、敵も味方も関係なく暴れるミノタウロス、リーフは混戦極まる戦況を
時折、『
こちらの戦闘などお構いなしに悠々と泳いでいる。
(なんで王都の目の前で泳ぐドラゴンを野放しにしとけるのよ…)
水から出なきゃいいってもんでもないように思うのだが、金持ちの余裕というのであろうか?
『ブゴゴゴゴー!!』
ミノタウロスが吠え
「ぬぅりゃややぁー」
ベンケーが吠える。
互いの筋肉を誇示し続けるような戦いは続いている。
そもそも5mほどの巨体に、2m弱のベンケーが筋肉を競って勝てるわけはないのだが、なぜに挑むのであろうか?
「そこに肉があるからさ」
大きさだけではない、バランスやテカりなんかも重要な要素であるらしい。
いつしかミノタウロスもメイスを手放して、
さらに
(筋肉ダルマ通しで解りあおうとしてるんじゃないわよね…)
リーフの背中にゾクッと悪寒が走った。
小さいミゥが奮戦しているというのに…
「
シタタタとミゥがリーフの所へ戻った来た。
「ん?」
「喉渇いたにゃ」
「うん…飲む?」
『
「ほっこりするにゃ~」
「そうね~」
なごんでる場合じゃないのだが…ミゥにとってはゴブリン程度は遊び相手レベルのようだ。
悪構いして、つい殺しちゃう程度、動かなくなれば
ヌルヌルのクロウとダボダボのヒトミでは、
「困ったわ…面倒くさい…」
時折、
「はぁ~、『
ため息まじりに唱えた氷系魔法『
残念なことに、範囲内の全ての者の自由を奪っていく…
「まさかの拙者達もでござるか…」
「痛いわ…そして冷たいわ…」
ゴブリンと一緒に固まっているクロウとヒトミ。
戦場のど真ん中で固められるとは…悲劇としかいいようがない。
すぐソコで、ミノタウロスとベンケーも、変なポージングのまま固まっている。
「うぉぉおぉぉー、こんなポーズでは嫌だー!! やり直しを要求するー!!」
ベンケーが叫び、
『ぶもぉぉおぉぉー!!』
何を言ってるか解らないが、おそらくベンケーと同意だと思われ…
ミノタウロスも叫んだ。
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