第12話 Old castleがゴイスー
王都出発から1週間、リーフ御一行は悩んでいた。
「あの城で間違いないのよ」
リーフは悩んでいた。
「住所はあってるのよね」
ヒトミが
(魔王の住所まで載っているでござるか…あなどりがたし)
「ひとつ聞きたいことがあるのでござる…リーフ殿」
「なにかしら?」
「湖の真ん中にある古城が魔王の城だというのは解ったでござる」
「他に何か疑問でも?」
「その向こうに見える城は…ひょっとして…『
「勘違いじゃねぇよ…この嬢ちゃん、地図の見方しらねぇもんで、徒歩20分の魔王の城に着くのに1週間掛かっちまった…早いトコ地図を見とけばよかったぜ…」
ベンケーが天を仰ぐ。
「なによ!! 冒険にはねぇ無駄足も重要な要素なのよ!! おかげで野宿に慣れたでしょ」
「確かにテントを張るのは早くなったでござるな~」
「そうね、最初の夜は夜中に潰れたのにね」
ヒトミが最もだと言わんばかりに頷く。
「俺たちゃ、1週間も掛けて、ほぼスタート地点に戻ってきたんだぞ!!」
「とりあえず、買い物する?」
リーフがシレッと、この1週間を無かったことにしようと王都へ歩き出した。
「要らねェよ!! そもそも野営の準備が無駄だったんだよ!!」
「無駄とは何よ!! 回り道したおかげで、色々解ったじゃないの、お互いの事とか」
「親睦会を野宿で開催したあげく、1週間も費やしたんだよ、この野郎!!」
「
「俺は
「まぁまぁ、いいじゃない」
ヒトミがダボダボの忍び装束を引きずりながら2人の間に割って入る。
「ヒトミ殿、その恰好で大丈夫でござるか?」
「アタシだって脱ぎたいわよ!! でもこの、まな板レーズン娘が!!」
「いいのよ!!」
ジロッとリーフがヒトミを睨む。
(
「逆らえばどうなるか解ってるわね…ヒトミ」
「グッ…」
「その胸に埋め込まれたアタシの爪のこと忘れないでね」
ニコッと笑うリーフ。
(悪魔め…)
犯罪者の身元引受人になる場合、
引受人の爪を犯罪者に埋め込み呪いをかける。
「汝、ヒトミ・ルイアィ、リーフレス・ティメィカァを主と定め契約の時が成就される時まで仕えることを命ずる」
ちなみに契約満期は8年間、1年間=10万マニー懸賞金分、こき使われるのだ。
無事、満了すれば無罪放免となるが、契約に背いた場合は爪が心臓に突き刺さりアホほど痛めつけられる。
その痛みは末期の虫歯の50倍と
つまり、ほぼすべての歯が末期の虫歯に侵されるということだ。
「呪われた身の不自由さ…他人事とは思えんでござる」
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