第8話 Along the wayがゴイスー

「人生、楽ばっか~苦はねぇさー♪」

「んにゃ、にゃ♪」

 リーフが少し鼻にかかる声で陽気に歌いながら歩いて行く。

 そのリーフの隣で尻尾を振りながら歩くミゥ、少し後ろをクロウとベンケーが付いて行く。

「俺たちゃ…このまま付いて行っていいのか?おい」

 大きな身体を屈めてベンケーがクロウに小声で尋ねる。

「ふん、仕方なかろう…これも縁というやつでござる」

「オマエ…達観してるな…俺より神職に向いてるんじゃね?」

「拙者、人を斬り伏せ生きてきたゆえ…神とは無縁でござる…仏には恨まれてござろう」

「その剣でか?」

「これは…まぁ…そうでござるな…」

 意味深な笑みを浮かべるクロウ。


「と…コレで登録は完了ね♪」

「はい、では討伐いたしましたらご報告お願いいたします。各地の魔王情報は王都ホームページで、随時更新しておりますし、メール配信にて新着情報をお送りいたしております」

「へぇ~、ランク別に並んでいるのね…星1個から5個までね…なるほど…悪そうな顔してるわコレは…クククッ」

「充分オメェも悪ぃ顔してるぜ嬢ちゃん」

「そうかしら?ウフフ…」

 もはや賞金しか見ていないリーフの顔、ベンケーには美しく…それ以上に歪んで見えた。


「とりあえず、買い物して~宿とって~からの明日は出発よ!!」

 リーフが役所の前でグッと拳を天に突き上げる。

 薄い胸が強調される貧乳が反るとね…

「にゃ!!」

 ミゥが真似して右手を上げる。

 こちらは相応に出ている。

 比率で言うと7:3で人なのだ。

 ただ運動能力は人とは比べ物にならない…太古の禁呪から産み出されたという亜人と呼ばれるデミヒューマノイド人にナニカを合成した種族の中でも猫科は珍しい。

 かつては、主に愛玩動物として珍重されていたようだが、今では、その扱いは性奴隷としても闇取引されている種族のひとつである。

 寿命は長く、繁殖力は乏しい。

 本来、人間などに狩られるような種族ではないのだが、知能の程は大人の個体でも6歳児程度しかない、それゆえ騙されやすいのだ。

「大陸には、色んな種がいるのでござるな」

「そうよ、東方最果ての島国では見ない種ばかりでしょ?」

「そうでござるな…猫娘など初めてでござる」

 クロウが道端の草を抜いて、左右に振ると大きな目で追い、時にシャッと爪を出す。

「恐ろしくもあるでござるな…」

 クロウの指先で草がパサッと地面に落ちた。

「戦闘にも耐えられるってことかい」

 落ちた草を見てベンケーが呟く。

「当然でしょ、亜人種は成長が早く寿命が長い、そのうえ各生物の特色を戦闘用に合成しているのよ、リザードマントカゲ人間なんてアホほど増えるのよ」


 尻尾を振ってベロターズオリジナルを欲するミゥ。

 どうやら草を切り裂いて得意になっているようだ。


「前衛は揃ったわね…後は…冒険に必須のアレを仲間にすれば…グフフ…貧民街には沢山いそうだったんだけど…ね」

「みゃー♪」

 ベロターズオリジナルに満面の笑みを浮かべるミゥ、悪い顔で微笑むリーフであった。

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