第6話 Beastがゴイスー
半壊させた酒場をシレッとスルーするように後にして、リーフ御一行は役所へ向かう。
「魔王討伐隊だぁ~?」
ベンケーがあからさまに嫌そうな顔をする。
「そうよ、世界に蔓延る惡を一掃するの…ついでに財宝を頂戴するの」
「なんで、わざわざ役所に申請なんかするんだ?」
「バカね…名声もついでに頂くのよ、魔王叩いて、金を貰うだけじゃただの成金っじゃない、名声と富はセットなの、ハンバーガーにポテトみたいな感じ、時折、ポテトが主役なったりするでしょ?」
「シラネェよ…」
「ハンバガ…拙者、食したことはある、フカフカして腹に溜まらぬ感じで好かぬでござる」
「それはマクドーウェルのだからよ、モスラバーガーを食べてごらんなさいな、全然違うから、でもポテトはマクドーウェルが1番よ!!」
「芋を油で揚げたアレでござるな、アレは美味かった」
「でしょ」
貧民街の外れまで歩いてきた御一行
「猫は、お空を飛べるにゃー!!」
突然、上から声が聞こえた。
「飛べねぇだろ…」
ベンケーが思わずボソッと答えた矢先、ボフッと上から生暖かいモノが降ってきた。
「地味にイテェよ!!」
なんだか解らないままにムンズと掴んで地面に叩きつける。
クルッ、シタッ!!
何やら生き物が身軽に着地した。
「なんじゃコリャ?」
「亜人…ね…」
リーフがマジマジと見つめると亜人もジッと睨み返す。
ジーッ………
リーフが疲れて、フッと視線を逸らすと
「勝ったにゃ」
「負けてないわよ!!」
よく見りゃ、手足は猫…耳も猫…尻尾も猫…キジトラだ。
「ネコ?か…」
「ネコじゃないにゃ!! ミゥなんだにゃ!!」
「ミゥ…名前?」
「ミゥ」
自分の鼻先に指を当てて尻尾を振る。
「なるほど…猫でござるか…大陸の猫は大きいと聞いていたが、喋るとは驚きでござる」
「アンタが聞いたのはトラね多分…これは猫の亜人よ、レアな種ね…」
「亜人…噂でしか知らねぇが、高額で取引される獣人族か」
「大方、逃げてきたんでしょ…そこらの見世物小屋から…」
リーフがスーッと息を大きく吸った。
クロウが刀に手を掛けるのとほぼ同時…
薄暗い路地から、いかにもなゴロツキがゾロゾロと湧いて出てきた。
「そういうことかい」
ボキッと関節を鳴らすベンケー。
「にゃ?」
「ウチのペットが逃げ出してね…
「いえいえ…動物
「ハハハッハ…」
「オホホホホ…」
「じゃあ死にな!!」×2
「面倒ね…
勝負は一瞬だった…
ゴロツキの叶うメンバーではない。
スペックがゴイスーなのだから…
広範囲火炎魔法『炎』
多人数相手には有効な魔法であったそうな。
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