第5話 Memberがゴイスー

「クロウ…ヨシツネ…言いにくいわ」

「まったくだ…」

 大男が火傷にローションを塗りたくりながら同意する。

「クロウでいいわね」

「なにがでござろう?」

「呼び名よ、私はリーフレス・ティメィカァよ、リーフでいいわ、恐れ多いなら『様』くれてもいいわよ」

「リーフ…さま…いやリーフでよかろう」

「そうね、おいおい尊敬されることになるけど、今はソレでいいわ」

「尊敬? 拙者、主以外には『様』など付けぬが…むしろ『様』呼ばわりされていたでござるが…」

「で…アンタ!!」

「なんだ?」

「アンタ名前は?」

「俺は、ベンジャミン・K、ごらんの通り神に仕える身だ…この間まで…」

「見ての通りなら、『狂戦士バーサーカー』か『蛮族バーバリアン』よ破戒僧のくせに神に仕えるとは笑わせるわ、見放されてるのよ…とっくに」

「うるせぇ!! 見放されてないから魔法が使えるんだろうが!!」

「バカね…神なんていないのよ、魔法はね、知識よ…おバカさん」

「気合だろ、俺は気合で習得したぜ!!」

「うんうん、だからあんなオリジナリティ溢れる魔法しか使えないのよ…アンタローションに並々ならぬ執着があるでしょ? キモイわ…」

「おおよ、ローション風呂が好きだ…いや大好きだ」

「キモイわ…でも、レジスト耐火したり、その体力と筋力、戦い慣れしてそうね」

「百戦錬磨の僧兵モンクだぜ俺わ」

「いいわ…アンタも仲間に入れたげる」

「ん?」

「さて…他の候補者奴隷候補は…帰るか、逃げたし…とりあえず3人でいいか」

「オマエのパネマジに呆れて帰ったか、オマエの魔法にビビったか…」

「パネマジの線は無いわね…絶対」

 グッと薄い胸の前で拳を握るリーフ。

「いや…拙者が来たときには、お主らしか居なかったでござるが…」

「無いわね!! 絶対よ!!」

「それでいいでござるが…仲間とは?」

「ん、クロウは私の募集チクッター画像投稿を見て来たんじゃないの?」

「なんでござろうか?」

「そう…まぁいいわ、旅してるんでしょ、私のお供に連れてってあげるわ、ついでに目的も果たしなさい、私の用事の後で好きなだけ」

「心強い…のでござろうか…」

「さて、じゃあ登録に行くわよ!! クロウ、ベンケー、着いてらっしゃい!!」

「俺ベンケーなのか? そして、なぜオマエがリーダー?」

「当然じゃない、私の美貌に平伏したんだから」

「平伏してねぇ!!」

「はいはい…コレあげるから、お供しなさいな」

 ガサゴソっと鞄からベロターズオリジナルを1個づつ渡すリーフ。

「良い子にしてたら、またあげますからね~」

「バカにしやがって…」

 繁々とキャンディを眺めるクロウ、口に含んで

「コレは美味いでござるな~」

「うん、特別な子にしかあげないんだからね♪」


 こうして、雨降って地固まりローション降って焼け焦げて、とりあえずパーティ奴隷契約が組まれたのである。

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