第39話 別の意味の危ない展開
(璃子が死んじゃう)
そう思ったら璃子の口に自分の口を合わせ璃子の口の中の物を吸い出そうとしていた。
何回か吸い込んだらさっきのドロッとしたものが口の中にぬるっと入ってきた、急いで吐き出す。
璃子がゴッっと息を吸い込んで「ゲホゲホッゲホ」っと咳込んだ。
背中を折って咳込んでいる。
「りこー」
名前を呼んで背中をさする。
「璃子ごめん防げなかった」
ぼろぼろ涙が流れた。
咳が止まったのか仰向けになって両腕を上げ何かを掴もうとする、その手を掴むとグッと引き寄せられた。
「善繡はあはあ、わたし善繡に近付けたかな」
私は涙声で、
「だめそんなの、ズッ......戻って来られるって限らないのよ、ズッ、ごめん守ってあげげうげううう」
感情が高ぶってうまく話せなっかった、璃子が手を引くので引き寄せられる私と起き上がろうとする璃子がぶつかりそうで左手を抜いて璃子の背中に回した。
ぶつかった璃子を体で受け止め左腕で抱きしめた。
「良がった璃子が死んじゃうかと、、、」
璃子は両腕で私を抱きしめる。
「私は大丈夫、善繡が傍に居る限り絶対死んだりしない、地獄からでも戻ってくるから」
その後無言で抱き合っていた、二人とも涙を流して。
「あっなにこれ」
璃子が体を離して横を向く。
視線の先のドロッとしたものがずるずるとゆっくり移動していた。
「璃子の喉に詰まっていた物、コントロールされているのかも」
立ち上がり除霊の水鉄砲を構え除霊の水をその塊に噴射。
「つまり私はコイツに殺されかけていた?」
「そう」
璃子はいきなり立ち上がり右足を振り上げた、踏みつぶす構え。
「だめ止めて」
「どうして善繡の大切な璃子ちゃんを殺そうとした現行犯じゃない」
サラッと変な事を口ずさむがまだ足は上がったまま、
「飛び散って又口や鼻を狙ってくる、さそっているのよ」
「わっそんな知能が有るの」
「知能なんてない、きっとあのタヌキが操っているのよ」
璃子ちゃん後ずさって、
「ど、どうすれば止まるかな」
「除霊の水は掛けたからそれでも動くって事は」
私も立ち上がりそのドロッを右手で掴む。
「戦利品」
璃子が私に向かって「強者」と。
それを片手でしっかり握り、
「へへー、ねえ璃子付いてきて健康診断してもらおう」
「健康診断?だれに」
「神様に、こんなモノ口の中に入れてしまったから病気に掛かるかもしれない、厄除けしてもらわないと」
「うちの神社でも出来ると思うけど」
「神様に出会えるチャンスだけど」
「行く! 行く行く」
「ただし会える確率は15パーセント」
「半分の半分以下」
私は璃子の手をしっかり握りしめて商店街の奥へ向かう。
「狐横丁って所?」
「うんただ入れる確率は50パーセント、両手にお土産持ってるからね」
「ってわたし餌?人身御供?」
「璃子は患者、おいしいおいしい」
「おやつじゃないのそれって」
「まあまあ私も食べるから」
「あーそれならいいか、善繡の体の中で生き続けるから」
「だめ、遊べないよもっといっぱい遊ぼうよ」
「もち!」
狐横丁入り口。
「ここが入り口」
「ここが、何もないね」
「想像してみて、幅一メートルの土の道で両側には古ーい食堂とか文房具屋さん」
「う、うん」
「じゃあ目を瞑ってしっかり手を握っていて絶対離しちゃだめだからね」
そう言うと両手でがっしり私の腕を抱きしめた。
「これで良い?」
「ダメ片方は手を繋ぐ、もし璃子が手を放しても私が離さないから」
「そっか、もう一度言って手を離さないって」
「ん?私が離さない、でいいの」
「あー幸せやっぱり私が善繡のお嫁さんになる、囚われの花嫁」
「あたっ、行くよ」
「はいダーリン」
狙い通りキツネ横丁に入っていた。
「いいよ目を開けて」
「おっおおお、これがキツネ横丁? 入れたんんだ」
「うんあともう一つの関門」
「まだあるの?」
「神様がいるかどうか」
「あっいつでも居る訳じゃないのか」
「居る方が少ないだから15パーセント」
「30パーセントにならない?」
そう言ってピッタリくっ付いてくる「へへっ」って堕天使の笑顔で。
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