第2話なぜかよく顔を合わせる

春子も宏も、人文学部だった、教室は同じ棟にあった。顔を合わせることがあってもおかしくはなかった、しかしあの日以来、日に2度も3度も顔を合わせる事があった。3日目に春子は、おかしいなと気付いた。


これは、わざとやっているのではないかと思い。時間をずらして、教室に入った。結果は同じだった。30分遅れて教室に入っても、1時間遅れて教室に入っても、宏と顔を合わせた。


10日後、宏が真剣な表情で立っていた。

「話がしたい。2時間くらい時間をくれないか」


(春子は、話しを聞かなくても、内容は分かった。私を好きだと言うのだろう。でも直之はどうするの。恋人の友達と恋するなんて、ありえない)


「ええ、いいわ。喫茶店だと人目を引くから、松林の中で話をしましょう。この方角に3分歩いた所で、待ち合わせましょう。

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