第2話さぁ、学生生活スタートだ
友達と言えるのか言えないのかは一度置いておこう。深く考えればそれこそ本当の友達ってなんだろうってなるから、そもそも俺が今欲しいのは大学で楽しめる大学友達ってやつが欲しいのだ。だからまず一緒の講義を受けている人を探す。講義を受けてからでは基本的に遅いだから、講義前に入り口に立って講義が始まるまで待つ作戦だ。今回の講義は、物理学といったどの生徒でも受けられる講義で生徒百人を入れる教室で、入り口が二つある。一つが席の一番後ろで、もう一つが前で教授が立つ場所前の扉から入れる。俺は後ろの入り口付近の陰に持たれながら携帯を触りながら前を通るせいとを目視し知っている人を探す。
講義五分前になると楽しげに話しながらグループで教室に向かってくる人たちがいた、俺には関係のないとすぐに目をそらそうとしたが真ん中に見知った顔がいた、その人は数人がいる真ん中でみんなの人気者だと見ればすぐに分かる、バスケットサークルのリーダーだった。
リーダーは俺と目があったらさっきまでのグループに一言何かをいいリーダー以外が先に教室に入りリーダーだけが俺の方に向かってくる、多分先に入っててくれないか的なできる男の発言を口にしたんだろう。
俺は近ずいてくるリーダーに軽く会釈する。
「おはようございます」
「おはよう、物理は君も受けていたのかい?」
リーダーはすごくオシャレである、シンプルな無地のシャツにデニムのジャケットを羽織り、パンツは黒のスラックスを履いている。いたってシンプルだがそれをおしゃれに見えると言う事実が大切な訳でリーダーは何を着ていても似合う。そう外国人に何を着せても似合うのと同じで身長と顔が整って入ればなんでもおしゃれなのだ。とりあえずだ。
「はい、少し前から出席しています、リーダー以外の人も受けているんですか?」
リーダーはなんでも物事を知っている、他の人の情報もバッチリな完璧までの情報通なのでしょうと俺は勝手な思い込みがある。
「あーね、理科子は居ないけど長谷川さんならいると思うよさっきも見かけたし来るんじゃないかな」
爽やかな笑顔ではあるが、少しこの人怖いと思ってしまうのは俺だけだろうか。たった数日で俺の考えそうなことを察していることや、今の会話の理解の速さは仏の領域ではないかと思ってしまう、確かにリーダーはいい人なのだろうだがどこか人間離れしていると言うかパソコンよりも情報が出て来そうだ。
「ありがとうございます」
もう俺が質問してはいけないんじゃないかって思うから話を切る。そうじゃないと俺がなんか悪いことした感じになりそう。
「いいよこれくらい、じゃあまた午後でね」
「はい、よろしくです」
まだ聞いたら何か教えてくれそうな言い方がやっぱ怖い。午後はサークルが体育館で行われるからだろう、一様グループで出席するかしないかと連絡で俺は出席を志願してある。
今からすることは決まった、長谷川が来るのを待つ、もし長谷川が友達と来るならそこは仕方がない、今まで通り一人で寂しく講義に出よう。
講義一分前になると長谷川が俺の前を走り去って行く。そして前の扉に向かった。多分俺がいる事に気がついたのだろう、長谷川が席についたのを見てから俺は隣に座った。
「げえ、新庄君じゃん。何?私の事を待っていたの?」
明らかに俺を嫌がっているがそこまで嫌そうにも見えなかった。
「おはよう、匂いは取れたか?」
少し逃げられたのが悲しかったので嫌味を含めて言う。
「な、そんなの当たり前じゃん。てか私たちヤってないよね?」
「はぁ?何お話だよ」
唐突な言葉だったが長谷川の表情は真剣だったので俺の方が少し狼狽えてしまう。
「いやあの後だって、最後あの居酒屋の近くのラブホでゲロを落としたじゃん。もしかして三人でやったとかまじやば過ぎ」
「被害妄想は一人でしてくれ、俺は自分のゲロと二人のゲロを落として帰ったよ」
「なんだ・・・ん?、ちょっとストップ・・・」
「次はなんだ?」
長谷川の表情がだんだんと赤く染まっている。
「え?イマイチ分かんないやっては無いんだよね?」
「あぁそうだ」
長谷川も首を横に傾げる、俺も答えながら首を横に傾げた。
「じゃあ服を洗って乾かしてバスローブを着せてくれたのは?」
「俺だけど、二人とも泣き噦るはゲロを吐きまくるはで終いに寝出して大変だったよ」
さっきまでの長谷川の赤い表情は真っ青に変わっている、記憶が無いとは思っていなかったがそこまで忘れていたとは。
「やば、絶対やってるじゃんそれ、三人でやるのはやばいって」
「いやあんな状態でできるか、アホ。まずそんな肉食でも無い」
大学生はたいて体の関係で問題が起こる、特に一回生は入りたてで調子に乗って男女が夜の闇に消えて行く、もう半分は大人だと変に体だけが大人になって考えが子供な奴が多いのだ。そう内の兄貴のように・・・。
「そんな紳士には見えないのだけど、自分で言うのもあれだけど、まだ私ってブサイクに入らない方でしょ?普通はやるでしょ?」
「そんなにして欲しかったのか?今度からはそうするからもう少し静かにしてくれないか?」
近くに座っている人は俺たちに会話で迷惑そうにしていた。それに気がついた長谷川は少し縮こまる。
「違う、そうじゃなくって新庄君て立たない人じゃ無いの?」
「下品な奴め・・・俺の息子は元気だし大丈夫だ」
不思議そうな表情をし長谷川がまた首を横に傾げる。
「じゃあなんでそんなに紳士なのさ、私もされていたって文句は言えないけど、服を脱がして着替えをするときに普通そうゆう事男子なら考えるものでしょう?」
なぜ少し怒っているのかが少し不思議でもある、普通ありがとうと感謝すらしてもらいたいのだが。
「いや、俺にも一様ポリシーと言いますか、現実には失敗を経験した人物が短にいると気おつける物だろう?」
何言ってるの?みたいな顔をして俺のことを睨む。ちゃんと説明をしたく無いから遠回しな言い方をしたのに。
「えーとな、俺の兄貴が大学に入ってすぐに子供を作ったんだよ、だから少しは気おつけないと兄貴にも親にも叱られるだろ?」
「なるほど、新庄君のお兄さんはヤリチンだったってことですか」
「なんか言い方が腹がたつが長谷川の想像よりはヤリチンだぞ」
長谷川は何かを見定めるかの様に俺の目を見る、だが嘘でも冗談でも無い。これは真実だ。
「そんなに信用できないか?」
「私だってある程度は世間を知っていますよ。だからこそそれを上回ると言った言い方が嘘くさい」
「じゃ三日間の夜だけで女の子が家に入った人数を当ててみろ、質問は受ける、それと俺がこの目で全てを見た事実だから先に数字はここに書いておく」
俺は講義用に持っていたルーズリーフに先に数字を書いた。
「なるほど、それは同じ部屋ってこと?新庄君は実家なの?」
一様信じてくれたようだ、それと何か楽しげに悩む長谷川を見て俺も少し楽しくなりつつあった。
「ああそうだ。兄貴と俺は同じ部屋で川の字で布団を敷いて寝るタイプだ」
「家は一軒家?」
「あぁ」
軽く返事をする、この答えが分かったなら長谷川も相当な修羅場を渡っているか、かなりのビッチのどちらかだろう。
「新庄君の部屋は何階?」
「二階だ」
「答えは六人くらい」
長谷川は修羅場を渡ってもビッチでもなかったようだ。
「それは、どうしてだ?」
「まず、ホテルを使わないのはお金がないってことでしょ、それかその日に出会った女性じゃない可能性が高い。わざわざ実家でやる必要もないし、女の子は基本的に実家は嫌がるものだから」
「ほぉ?その日出会った女性じゃないってのはどうして」
「その日出会ったってのは、相席屋だったりナンパが多いけどお金がないなら相席にはいけないでしょ。それとナンパでもその場ですぐに男の実家ってのは付いてくる女の子がどうかしているわよ。三日の夜だけなら行為の時間も含めると二人が限界でしょう、特に部屋が二階にあるなら出入りする時に迷惑だと言われたりするでしょうし。それで正解は?」
さも当然のことを言ってもらったが、俺の家には例外が三つある、これを知っているのと知っていないでは大きく変わってくるだろう。まず、夜は親が家に居ない。いわゆる共働きで夜勤出勤だから夜は兄貴と俺だけだ、そして内の兄貴の名前をこの大学で言うと大体の人が知っているレベルで有名人である。多分あだ名が新喘「しんあえ」と呼ばれて居て、新庄の新は処女と言った意味で喘ぐはそのままの意味だ。ただただイケメンでそのテクニックはハマると有名だったそうだ。なんて下品で不純な兄貴が俺の兄なのだ。最後は、親もそうゆう行為を許可する人たちなのだ、朝と昼まは静かにしてくれるならいいと言い張っている。これが我が家である。
「答えは一日二十四人なんだな」
長谷川の表情は理解に苦しんでいる、俺だって当時は理解に苦しんだ、それも目の前の光景だから嘘な訳もない。まだ長谷川の顔は固まっている、そして口も開いて何も言葉は出てこない、講義中の教授の声が聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声が漏れる。
「嘘じゃないよね・・・でもどうやって」
小さな声ではあったが言いたいことは確かにそうなるだろうな、三日間で二十四人は人の領域を凌駕している。
「まず、初日は女の子が家に十人と兄貴が居たんだ。確か時間が夕方の六時頃だった、そして朝方までずっと女性の喘ぎ声は響き続けていたよ」
またしても長谷川は口を開いた状態で俺の顔を見つめてくる、そしてゆっくりと首を傾げた。
「拓篤くんはどこにいたの?お兄さんとは別の部屋に?」
今から言う言葉は驚くだろうから少し笑顔で微笑んであげた、長谷川は引き続きトンチンカンな表情をしている。
「俺は兄貴は同じ部屋にいたよ」
俺の言葉と同時にまたあの、変なチャイムが鳴る。そういえば結局このチャイムの理由を知らないままだったな、あとで幸太郎を問い詰めてやるとまた思った。
そのまま席を離れるともう既に講義は終わったはずなのにボールペンを持って教科書をまだ開いたまま目だけが俺を追っている、だから俺は長谷川に一言物申してやる。
「じゃな春香」
「え?待って」
片ずけもしていない、今回の講義提出物もしていない彼女は慌ててトートバックに教材を入れていたが、そんなことは気にしないまま俺は提出物を出して次の講義に向かった。
久しぶに友達とお喋りが出来て少し楽しかったが、つい調子に乗って色々暴露し過ぎたと少し後悔もしていた。
お昼休みは食堂とコンビニエンスストアと有名なタリーズが大学に入っている。食堂は安くて量が多くお得だが人が蟻の巣かと思うほど多く雑音のような声が重なり合っている、だから俺は仕方がなくコンビニで惣菜パンとミルクティーを購入する。少し残念だったのは、大学前のコンビニではないから理科子先輩がいないことである。大学前のコンビニにいつも理科子先輩がいるとは限らないが大学の中のコンビニだったら食堂をしぶしぶ諦めてくることはなくなる、喜んでコンビニの惣菜パンを食べるだけどなぁ。ビニールに包まれている質素なパンとミルクティーを眺めながらコンビニを出ようとしたら、前から幸太郎がヘラヘラと笑いながら俺の方に向かってくる。
「お疲れさん、拓篤」
こいつが笑っているだけで何か悪さを考えているのではないかと疑ってしまう、これはもう病気かもしれない。幸太郎の腕を何も言わないまま掴んだ。
「もう逃がさんからな」
「何がだよ」
素でこいつは忘れているのだろう、俺の講義が始まり終わる度に変なチャイムが気になり続けている苦しみを何とも思っていないことがまた腹が立つ。
「そろそろ教えてくれよ、あの変なチャイムの理由」
「あ・・・・」
「思い出したな、この詐欺やろうが。丁度昼休みだしゆっくりと話を聞こうじゃないか」
幸太郎は観念したらしく「仕方がないなー」と言う。
なんて物言いだと言葉には出さないが思う、そもそも約束したのに逃げたほうが悪いだろうに。
「お昼ご飯だけでも買わしてよ」
腕を離さない俺に幸太郎はコンビニに指を指した。いつ逃げるか分からないと思っていたが今回は観念したようだ。
「分かったよ」腕を話すとコンビニに入って行く。数分待つと、幸太郎の両手にはビニール袋を持っていた。
「幸太郎そんなに暴食だったっけ」
見ない間に大食いになっていたとは、小柄なのにビニール袋の中を見なくてもコンビニ弁当が三つあるのが分かった、それに飲み物も何本か分からないが一本以上ではないのは確かだ。
「まあ最近疲れていたしね」
けろっと笑う幸太郎だが、不気味で仕方がない。大学の中でサークルに貸し出されている教室が三階にある、そこで昼飯を取りながら話をしてくれることになった。大体お昼休憩の時間が一時間はある、だが次の授業は入っていない、大学では好きな講義を自由に取れる。だから一から五まで一日ある中で講義と講義の間は空きコマと言い方をする、今日は一と二と五の講義を取っているので、三、四の授業は時間が空き暇な時間だったがここの部屋で時間も潰せそうである。
幸太郎は最近流行りの人気な曲を鼻歌で鳴らしながら、三階のサークルで使用している部屋の扉をスライドさせる。扉には鍵はかかっていない、なんの躊躇もせずに開けるとゆうことは事前に誰かが中にいることを知っていたとゆうことだろう。
「こんにちはーです」
「失礼しまーす」
部屋に軽々と足を運ぶと、中は意外とキレイだった。両端には難しそうな研究用の教材や講義で使っている見たことがある教科書、漫画や小説も様々ではあるがきちんと整理整頓していることに驚いた。正直部室と同様な部屋だとばかり思っていた。高校のときは一様バスケ部で部室があったがあまり長いはしたく無かった、汚いし臭いし掃除はしない部屋とは違い、部屋は教授の研究室と同じくらいの広さがあり縦に長い部屋で、入ってすぐにはテーブルがありその次に部屋を半分に区切るように大きなホワイトボードがある。ホワイトボードには全国制覇と大きく書かれているのを見て俺は心の言葉が直接出てしまう。
「おいおい・・・高校球児でもホワイトボードにそれは書かねーぞ」
「確かに」
幸太郎は頭を触り苦笑いした。
こいつは元々高校球児だったのだ、かなりうちの高校は有名校だったらしく野球で甲子園も手の届く範囲だったが俺たちの世代は他の高校がバケモノ揃いでそれこそ今ではニュースやテレビで大活躍を期待されている。まあそれも運が悪かったと思うべきなのかも知れない。幸太郎が頭を触ったのは、前までカリカリの丸坊主だったからだろう。
ホワイトボードの奥から声だけで迎えられる。
「どうぞー入って」
「お昼買ってきましたよー」
幸太郎はコンビニの袋を待ちながらホワイトボードの奥に向かっていく。
聞き覚えがある声だった、と思いながらホワイトボードの裏を除く、そこには丸いテーブルを
インブィズィブボックス 川直輝 @Murasiki
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