第2話 1枚の手紙

「……なぁ、起きろよ」

「いやだぁ! わたしはふとんといっしょにいるの!」

「ふざけてる場合じゃないって。今何時だと思ってるんだよ」

「あさ、はちじ?」

「ちげぇよ、9時」

「くじかぁ……がっこうちこくだぁ……」

「もっと、焦ろよ! 遅刻だぞ、遅刻!」

「ちこくだよ? けどいるじゃん?」

「……いや、それはお前を起こさないとだな」

「おこさないと?」

「おまえの母ちゃんが怒るだろ? いつも頼まれてるんだから」

「それはたいへんだぁ」

「だから、はやく起きろ!」

「いやだ!」

「……はぁ。いつもいつもお前はなんで――? なんだこれ?」

「どうしたのぉ~わたしおきないよ?」

「いや、ちょっと。……これ、ほんとにかよ」

「もうどうしたの!」

「待って、もうちょっとだから」

「なにが……え? それ」

「あ、やべ」

「みたの?」

「……みたよ」

「どうだった?」

「そりゃぁ、な、なんていうか、俺もって」

「ふ~ん」

「ああ、もう! さっさと学校行くぞ」

「わかった」

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