夜を駆ける(第四十三回 お題「空」)
夜の気配を感じて、彼は塒からゆっくりと出てきた。
そのまま目を閉じて立ち尽くし、ゆるゆると深呼吸を繰り返す。
外気を取り込むごとに真っ白な外見は色を帯びて、じきに夜空のそれと変わらなくなった。
己の変化の完了を分かっているかのように、目を開く。閉じる前は白濁していた双眸の、一方は星の銀光を、もう一方は月の金光に満たされていた。
往年の姿を取り戻したその獣は、闇に潜むものを狩るべく走り出した。
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