サボタージュ(第四十三回 お題「空」)

 営業で歩き回るのに疲れて、仕事をサボろうと思ったらここへ来てしまうので、受付のお姉さんにすっかり顔を覚えられていて、「いつもの場所、空いてますよ」と言われてしまった。

 なので、ありがたくいつもの場所で仰向けに寝転んだ。

 真っ青な空が視界いっぱいに広がって、それ以外は何も見えない。ちょうどいい季節なので日光は熱くもなく寒くもなく気持ちいい。

 周囲には誰もいなくて、手足を伸ばすのも、鼻歌を歌うのも、好きにできる。やっぱり最高だ。

 あ、スマホの電源そのまんまだ。

 慌てて起き上がって、鞄からスマホを引っぱりだして電源を切る。ここは雲の上、電波は絶対届かないのは知ってるけど、社畜の習性は直らない。

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