2017年
フリーワンライ参加作
罪なヤツ(第125回 使用お題「梵天はお楽しみ」「膝枕の特権」)
耳かきの後ろの梵天、あれが耳に入ってくる。
こしょこしょと耳穴に当たる梵天の感触が、いつものことだがほわほわと気持ちよくて、今日は閉じないでおこうと思っていたのにやっぱり目をつむってしまった。
反対側の耳と頬には、むっちり柔らかくて温かい感触。すりすりと頭を動かすと、上から「くすぐったい」と笑う声が降ってくる。
膝枕で耳かき、気持ちいいものがいっぺんに両方味わえるなんて、ほんとに幸せだ。
耳に激痛が走った。
しまった、またやってしまった。
マイクロファイバー素材の梵天が五感全部に幻覚を引き起こす、この超ハイテク耳かきのおかげで耳に怪我するのは、これで何回目だろうか。
耳鼻科に電話をかけながら、また先生に怒られるんだろうなと溜息をつく。
でも、耳かきを変えるつもりは、もちろんない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます