叛乱(第三十回 お題「飾る」)

 報告された内容に、私は愕然とした。

 岳父とその一族が、年若い君主の摂政となったのをいいことに傍若無人に振る舞っていることは知っている。だが、彼らに敵うものがない私はそれを諫められずにいた。

 ただ、君主を害そうと計画していると聞いた後でも、それを貫けるだろうか。幼年でお飾りの君主であっても、蔑ろにしていいはずがない。

 策謀の会議の席にいたという者が、私にまなざしで訴えかける。

 彼の言う、賛同者が幾人もいるという言葉は嘘か真か。真としても、彼がここへ来たと知れたら、計画に賛同できない私がどうなるかは言うまでもない。同じ散るのなら、華々しく抗って散ろうではないか。

 君主の母君に伺候すべく、私は立ち上がった。

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