くじ引き(第三十八回 お題「贈り物」)

 祭りの最後の締めはくじ引きである。

 町に住む者ならば、町長から奴僕下婢まで等しく一人一回くじを引くことができる。百人は下らない人々がたった一つの当たりを引きあてようと躍起になるのだから、盛り上がらぬわけがない。

 今年の当たりを引いたのは、七歳の男の子だった。

 回りの者たちは盛大な拍手をその子に送り、少し離れたところでまだくじを引いていなかった者が自分に機会が回ってこなかったのを悔しがる。

 周囲の騒がしさについていけない様子の子供の前に腰を下ろして、町長はうやうやしく告げた。

 おめでとう。今年のくじの当たりは君だ。山の向こうにいる神様への、今年の贈り物に当たったんだよ。

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