くじ引き(第三十八回 お題「贈り物」)
祭りの最後の締めはくじ引きである。
町に住む者ならば、町長から奴僕下婢まで等しく一人一回くじを引くことができる。百人は下らない人々がたった一つの当たりを引きあてようと躍起になるのだから、盛り上がらぬわけがない。
今年の当たりを引いたのは、七歳の男の子だった。
回りの者たちは盛大な拍手をその子に送り、少し離れたところでまだくじを引いていなかった者が自分に機会が回ってこなかったのを悔しがる。
周囲の騒がしさについていけない様子の子供の前に腰を下ろして、町長はうやうやしく告げた。
おめでとう。今年のくじの当たりは君だ。山の向こうにいる神様への、今年の贈り物に当たったんだよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます