ごくん(第92回 使用お題「肌寒い夜は」)

 レンジでチンした牛乳に、はちみつを落とす。

 今日はいつもより少し多めに。寝付けない自分をちょっとだけ甘やかす。

 こくん、と一口飲みこむ。はちみつの甘さが口に広がる間に、牛乳のあたたかさが喉からおなかへと伝っていって、じわりと身体全体へと広がってゆく。

 二口めを飲みこむごくんという音が、暖房を切って冷え切ったワンルームの部屋に響いて、誰も聞いてないのに恥ずかしくなる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る