後片付け(第61回 使用お題「傘の花束」)

 寮の外回りの掃除は、いつもでもタルいから人が集まらないのに、予定外の今朝の集まりの悪さは半端じゃなかった。

 真面目に出てきたことを後悔しながら、たらたらと飛び散る葉っぱや木の枝をゴミ袋に集めて回る。

 風の向きのせいで、うちの寮がちょうどいいストッパーになってしまったので、台風が置いていった「おみやげ」がうんざりするほど壁沿いに積み上がっていた。それを片付けるには人数が足りなさすぎる。掃除する意味があるのか、だんだん分からなくなってきた。

 そんななか、君だけがてきぱきと動き回っていた。

 使い物にならなくなってほおっていかれたのか、突風にさらさわてここまで流れてきたのか知らないが、骨が折れたり傘がはずれたりしたビニール傘が、「おみやげ」の中にたくさん混じっている。それを揃えて一カ所に積み上げておいて、ある程度溜まったら花束みたいにまとめている君が、うんざりするほど晴れた空の下でひどくまぶしかった。

 君の回りだけ、きらきらしているように見える。

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