第10話 逢瀬

その後、Kさんは直ぐにメールをくれた。連絡先を渡した次の日の朝、ドキドキしながらメールを読んだ。


「Kです、携帯番号、メールアドレス。ご登録よろしくお願い致します」


俺としては、Kさんからグイグイ言ってくれたら有り難いのだが、仕方が無い。初っぱなからのS女性・Kさん妄想は捨て、男らしく行こう。


・・・ご連絡ありがとうございます。この祝日は予定がありますが、年度末は出張や研修が少ない時期なので、土日は比較的空いています。Kさんはいかがですか。


2日後。


「返信が遅くなり申し訳ありません。年度末でなく恐縮ですが4月1日、21日、3月中ですと24日の夕方から大丈夫です。」


俺も空けておきたい日はいっぱいあるけど、Kさん割と空きが無いんだな。スケジュールを確認し、3月24日18時、上野公園内にあるスターバックスで待ち合わせをした。美術館閉館後は人も少なくなるし、公園内のレストランで食事して、散歩して、不忍池から少し歩けばすぐ2人になれるところがある。誘いに応じたKさんを待ちきれない思いと、夜からの食事には淡い期待があった。


 待ち合わせ当日。少し時間はかかるが近い距離に自宅がある。俺は汗っかきだがまだ少し肌寒かったので、遅い昼食を済ませた俺は散歩がてら上野まで歩くことにした。湯島天神周辺はラブホテルが多い。ホテル街を蛇行して、なるべくキレイそうなところをリサーチし値段チェック。カードが使えてもなるべく現金だな。食事代、ホテル代の概算×2+予備費として50,000円。財布にこれくらいあれば問題ない。上野駅で観光ガイドの地図をもらい、レストランまでの道順を調べる。まだ客足が引かないスタバでコーヒーを買って席を探す。携帯が鳴り、画面を見るとKさんからのショートメール。「左側に座ってます」。目を向けるとKさんが居た。白いシャツにジャケットを着たKさん、デニムを履いていて、俺は少しガッカリした。


「早かったんですね」 


-早いのはそっちだよ(笑)


先に到着していたKさんは、何か作業をしていたようだ。食事をするにはまだ早いので、ゆっくり飲みながら雑談する。会話の内容は、丸っきり普通の女性と言った印象だ。清楚だが華やかなKさんは目を引く存在感があるので、連れて歩くのが何だか誇らしい。メシ行きますか、と言って俺が立とうとすると、Kさんは空いたカップを2つとも持ち、ダストボックスへ向かった。歩くKさんの下半身は尻から脚のラインがくっきりとして、スタイルの良さが際立っていた。勘違いしてたけど、むしろデニムは最高じゃないか。


・・・トイレ行って来ます。


個室に入り、半勃ちになった俺のモノを下に向けて用を足した。その場は静まってゆきながらも、これからを期待する俺は、既に見知っているKさんのボディを思い出していた。




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