第9話 約束
今年度も終わりに近づき、遅くまで総務課職員が残っている。Kさんは居たり居なかったり、離席しているのか帰宅しているのか、俺にはわからない。残業が続いているのはこちらも同じで、観察する余裕もない。
仕事にしか気が回らない頃、いつものように総務課に行くと、その日はKさんしか居なかった。俺はKさんの席に行き、横に居る俺に気が付いたKさんは俺を見上げた。
・・・お返しを渡すから、何か。
俺の可笑しな発言にキョトンとしたKさんだったが、はにかんだ顔でゆっくりと言葉を返す。
「以前差し上げたチョコレートはお礼ですので、かえって気を遣わせてしまい、ごめんなさい。でも嬉しいです。私、嫌いなものがありません」
・・・飯、行きます?
グッジョブ、俺! 緊張せずに言えた、言ってしまったぞ!
・・・付箋あります?
Kさんに渡された長方形の付箋に、自分の連絡先を書いた。渡して会釈して、俺はその場を立ち去った。連絡はもらえるのだろうか。
その晩は珍しく湯船につかり、シャワーを浴びながらKさんのことを考え射精した。2人で風呂場に行き、Kさんの太ももに挟まれ、握られる-いつもより強めにこすってしまった俺のモノは少し痛んだが、痛みすら心地良く眠りに就いた。
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