閑話

――もしも波が大きく荒れたならば。


もしも大地が不意に揺れだしたならば。


眠り続けていた雷の騎士は目を開く。


意思を壊され操り人形と化したその幼竜。


母なる海の始祖竜と、父なる地の始祖竜。


二体の目覚めのために彼女は動かねばならなかった。


いずれ一つの神へと戻り、この世界を生み出した王を喰い殺すために。

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