拝読しました。
雰囲気や言葉使いが柔らかくて好きです。
彼女の言い回し、納得できるような？　できないような？　９９点と１００点の間には越えられない壁があると思うけど、でも９８点だって……
あずきドリンクの最後の一粒は、確かにそうですね。粘性があるので、コーンポタージュの缶よりも、最後の一粒が……　そんなことを考えてしまう不思議な雰囲気の作品と思います。

企画に参加してくださり、ありがとうございました！
電車を逃しアニメを見逃すというダブルパンチのバッドエンドと、それをきっかけに付き合うことになった二人のホッとするようなハッピーエンドで、メリーバッドエンドがしっかり成立していると思います。
現在の二人のエピソードを先に持ってきて、後から出会いの場面を描かれた構成がとても良かったです。もし逆だったら、「電車を逃した」→「おかげで僕たちは付き合いました」と単純な話に読めてしまって、「それは都合よすぎじゃない？」とがっかりしたと思いますし、強引にメリーバッドエンドに持っていくようにも見えたかもしれません。
冒頭の例文を彼女が自分に置き換えて口にするところや、去ってしまった電車を描写するときに、一度登場した「米」「豆粒」を再度もってくるところ、電車を乗り逃した彼女の姿を、見逃したアニメのヒロインに重ねて、アニメを見逃したことへの未練が隠しきれていないところ等、遊び心が盛り込まれていて楽しめました。
全体をとおして大変よく練られていて、伊月樹さんの誠実な執筆姿勢に好感が持てた作品でした。