第15話

「……数値はどうだ」


「異常なし、被検体R17518は完全に回収されたと判断します」


「そうか、存外つまらない結末だったな」


「それでどうします? これ、経緯がばれたら大事ですよ? 」


「そのための身代わりを何人用意したと思っている、実験と称した拷問を繰り返した連中に責任を擦り付けて、僕らは実績を盾に監視付きの研究継続で済むだろう」


「でしょうね、そのために被検体とも親身に接してきましたからね」


「そうだ、わかったらとっとと報告書を作り給え」


「了解しま……これは……? 」


「どうした」


「窯の内部で数値が……現在も上昇中……」


「なに? 」


「個体識別コード、R17518と合致、奴は……まだ生きている? 」


「……なるほど、まだまだ私を楽しませてくれるようだな」


「ドクター! このままでは何が起こるかわかりません! 避難を! 」


「馬鹿を言ってはいかんよ、こんなに楽しいイベントを見逃すことなどできるはずが無かろう。さぁ、何が起こる。何を見せてくれるローリー・グリム! 」

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