第8話 でも好きなんだろ?

2/10

日曜日。


アイドルグループの配信に入ると、翔太と西野くんがふたりがいたんです。


翔太が私をみつけるなり「あのね、昨日ね、ファンの子からリプライもらったんだけど、翔太の翔の字が間違っててさーショックだったんだよね」


ガーン


私のリプライだ。


いつも気をつけているのに、似てる文字と間違えたのだろう。私に向かって言っているのは直ぐにわかりました。


「あー」

「あれ、探せないのよね」

「いつも気をつけているんだけど」


「もうリプライしない」


名前を間違えるなんて一番いけないことだから。もうリプライしない方がいいとおもったんです。


「うえーん」

「みなさーんファンの子からいじめられるー」


翔太がひっくり返っています。西野くんが「リプライしてあげてー」「喧嘩しないのー」と言ってます。


その後も、まあ、ふたりは弾き語りしながら、コメント読んでて、何かの話でまた翔太と変な会話になったので「ほんとに翔太とは気が合わないよね」って言ったら!


「でも好きなんだろ」


って言ったんです。


そのあと直ぐに翔太は「うわぁぁぁぁぁ!」「鳥肌立ったーー」とか騒いでいました。


私はこっちでニヤニヤしてて。


「そうですよ! www」


とコメントしたんです。


でも、名前を間違えたことは、Twitterの方で丁寧に謝りました。


そして毎日翔太にはリプライを送っています。


ほんとに彼氏か?あんたは!


今日2/13

朝「翔太おはよう。早く翔太と話したいな」とリプライしてたんですね。


誰がいつ配信するのかは決まってなくて、それぞれが空いた時間にしているみたいです。


私はいま、原田さんのイベント応援のために星集めをしていて、星集めをしているときは、通知がわからないので、一応、自分がフォローしてる人が配信していないかホームで確かめるのです。


そしたら、アイドルグループが配信中になってて、もしや?と思い、入室したら翔太でした。


え、やっぱり翔太だと嬉しくなり、でもいつから配信してたのか気になったので「いま始めたの?」と聞いたら「いま始めたよ?あかんかった?」


この、あかんかった、も翔太の口癖です。


「直ぐにあかんかったって言う」


「口癖かな」

「あー今日ね、誰かが配信で話したいって言ってたから、やろうかなと思ってさ」


やっぱり私のリプライで、やってくれたんだ!あんたは私の彼氏か?


「うん。話したかったと」


その時間は、またふたりだけの世界みたいになっていろいろ話してました。


「あーツイートで、でも好きなんだろ、その通り、って書いてたやろ。あれにいいね押そうかと思ったわ」


え、フォローされてないのにわざわざ見たんだ!


あんたは私の彼氏か?


「見てくれたんだね。見ると思ったよ」

「Twitterの場所ってとこに、でも好きなんだろ、載せとくね」


Twitterのプロフィールには、住所みたいなところに、好きな言葉を載せることが流行ってる?みたいなのでやってみることにした。


「あとで見てね」


「恥ずかしいな」


あんたは私の……


そんなわけはない!


「今だけだからね、こんなことできるのは」


わかってるよ。寂しいこと言わないで欲しい。


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