邂逅―Encount: White Vorpal Bunny
雨だれ岩を穿つ、牛の歩みも千里…。とにかく努力は報われるってワケだ。努力っても300年間だらだら遊んでただけだがよ。プロキシマ・ケンタウリb、本当に辿り着くたぁ思わなかったぜ。
俺は
そうしてジョンと辺りを散策していると、ヘルメットに表示されたレーダーがおかしな反応があった。不規則に動き回る光の点。隣を見れば野郎も異変に気付いたらしく、表情を強ばらせていた。この反応、風に転がる石だと思いてぇが、あるいは……
何かいる。
冗談じゃねぇぞと毒づきながら、腰のレーザー銃に手を伸ばす。冗談みてぇな、青い円錐形のレーザー銃。射撃練習もしちゃいたが、本当に使うことになるなんざ思っちゃいねぇ。実戦経験があるのは元海兵のジェーンだけだったが、筋肉太りで宇宙服に入らねぇなんて下らねぇギャグをかまして宇宙船で絶賛留守番中だ。
俺たちはヒビって身動きできなかった。情けねぇ話だ。でもしょうがねぇだろ?観光気分で海外旅行に行ったら内戦中だったようなもんだ。いや、そんなつまらねぇこと考えてる場合じゃねぇ。その間にも光の点はレーダーの中心、俺達に近付いてきてやがる。
喉がコトリとやけに固い音をたて、脇の下を冷たい汗が伝った。
――そして。
ひょこり。
ガッチガチに固まっていた俺達2人の前に、2羽の白い兎が現れたんだ。
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