彼方からのメッセージ #01

 遥か彼方のインベーダーさんへ。ここは惑星カラバシュグレナダ。あなたたちがプロキシマ・ケンタウリbと呼ぶ星です。


 うん、まずは自己しょ


――ねぇ、あっちに黄水晶シトリンの鉱脈が見つかったってー。


 えっ!?ちょっと待っ……やっぱ先に行ってて。私もすぐ行くからー。


――分かった、無くなってても恨まないでねー。


 ……うん。




 こほん。まずは自己紹介しておきましょう。私たちは硅素生物カリプソ=クオルツ、自分たちの種族のことを、そう呼んでいます。私たちは石を食べて成長します。石に含まれる珪素は高純度で半導体、酸化すれば絶縁体という奇跡の物質。――私たちの発生はまさに偶然でした。極大の太陽フレアに灼かれながら転がった小石がトランジスタ構造を作り、回路を組み上げたのです。その最小単位の小石が石核セル。石核を組み合わせ、少しずつ自分の体を作り変え…そうやって今の私たちのカタチになったのです。


 私たちは石をかじりながら平和に暮らしていました。でも三十年前、あの忌まわしい戦争が起きたのです。硅素生物を真っ二つの陣営に分けて争った、Calypso Warキノコ・タケノコ戦争が――


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