作戦展開
「10秒だよノルダ!」
「十分さ!」
「いや10秒だよ?」
「十分ってこと!」
ボルターに接近しながらそんな掛け合いをしていると遅れながらも触手がノルダ、クリヤに向かってくる。
透明化の効果は10秒、つまり相手にとって初見の攻撃でいられる時間だ。
「後手後手じゃ当たらないよ!」
触手よりも先に動き出した二人に触手は追いつかず、空振りが続いた。ならばと触手の先から光り輝く雷撃砲を放つ。
しかしその頃にはもうツルハシを振る方が速い距離に二人が近づいていた。すれ違い様、ボルターの両サイドにノルダ、クリヤがツルハシで攻撃し、後ろに抜けていく。
攻撃した直撃ボルターは先ほどより動きが鈍り、触手の動きも遅くなっていた。
「10秒!」
クリヤがそういうと資源保管庫の透明化が解かれ四角い箱のような造形の建物が再び現れた。
それを見て流氷のポーンはすぐさまキューブをこちらに投げつける。インクのキューブだ。
ポーンは透明化を警戒したのだ。
ノルダ、クリヤはそれも交わすが足元に広がるインクを踏むこととなった。透明化を使ってもこれで居場所は分かってしまう。
「これで透明化は封じた…どうするかな氷鉱夫諸君!」
「プランを変えるだけさ!」
ノルダの出した答えはまっすぐ目標を見つめていればジグザグに進んでも良い、と言うことだ。プランを変えても成し遂げる、ひたすら目標のためにだ。やり方を変える、それは固執するより効率が良いことがある。
透明化を自分たちに使うことはできななくなったが、まだボルターの隙を作る方法が二人にはある。
クリヤは街灯に向かってコツンとツルハシを当てた。採掘のような強さではなくグーダッチレベルの強さだ。
しかし透明化を発動するには十分だ。それを見て何かされる前に阻止しようとボルターは触手を伸ばしてクリヤ狙う。
後数センチでクリヤが触手に捕まるかと言うところで止まった。ボルターはまたしても2人の技にかかった。
「あんまりもたないんだよね…こんだけ透明にしちゃうとさ」
「十分だよ、クリヤさん!」
ボルターの真下、真横の空間が丸ごとくりぬかれたような光景が広がっていた。クリヤの技であたりをほとんど透明化したので配管や、わずかな街灯を除き、殆どが不可視の状態だ。
確かにボルターは地に足をつけているが、浮いているような感覚に襲われた。ポーンですら目の前の光景にしばらく固まっていた。
「こ、これは…!」
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