第44話 重い朝
頼りない電波状況のスマホで眺める朝のニュースは、お隣の国の大規模停電で一色だった。
我らが日本政府も、これには対岸の火事と言っておられず重い腰を上げざるを得ない様だ。
対策を取るとは発表しているが、自分の様な職業プレイヤーが増えるのだろうか⋯⋯。
予算を掛ければステータスは買えるが、訓練が必要なプレイヤースキルはそうもいかない。
甚大な被害が起きてからでは遅いのだ。
幸いというか今の所、日本国内ではエーテル暴走している地域に発電所などはないし、拡大もしていない。
今後もそうである保証はないが、目に見える風景に変化はなく平和そのものだ。
⋯⋯カーテンくらいは買うべきだった。無駄に早起きだ。朝日が眩しい。
午後からのイースト間引きにはまだまだ時間があったのでもう一眠りと思っていたら
政府のエーテル暴走対策のモデルケースに内々定したらしい。仕事の早い担当の彼も出世だそうだ。
随分と動きが速いが、前々から仕込みはしていたのだろう。
ススキノ攻略の際にはチームを引き連れて遠征してくるそうな。豪気な。
若干の方針の転換もあり、俺には界の主にはならない様にと指示が出ていた。これはススキノが終わっても転戦路線か⋯⋯。
ススキノ攻略が終われば、恐らく予算縮小でお役御免しかルートが無かった事を考えれば選択肢が増えただけマシだろう。お客様もいつまでもお金をくれる都合のいい人ではないのだ。
むしろ、いつ首を切られるか分からない立場なので、サラリーマンを続けていく意味もないのかも知れない。フリーランスも視野に入れるべきか。
世界的に魔法使い不足らしいので、頑張ってEP稼げば食っていけない事もない⋯⋯はず。
海外でも詠唱は日本語なのだそうだ。そりゃ無理だ。
メールの最後には、キックオフミーティング名目で出張してきませんか?とあった。魔導書も原価で仕入れできるらしいが、さてどうしたものか。
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