02ヘヴンとSYNC最適化


 坐り込んだ私、警戒しつつにらみつける警官――。


 先に口火を切ったのは私。


 「コチーーーン」


 人さし指で殿方の大事なアソコをつま弾きます。


 弾かれた警官は、ウッッッと腰が後ろにのけ反る。


 警官A 「なんだコラーー!!」


 そう言いながらゲンコツをつくって威嚇する。


 警官Bがクスッとハニカミながらほほえむ。


 私はまるで悟りを啓いたかのように、坐禅とアルカイックスマイルをしながら警官Bに向けてこう言った――。


 「あなたは優しい顔をしているね」


 そして再度「コチーーン」今度は中指で警官Aの大事なアソコをつま弾きます。


 警官Aはまたもやウッッッと腰を以下略。


 警官A「なんだコラコラーー!!」


 警官Bがクススッとハニカミながらほほ咲む。


 なんということでしょう。中指で弾いたからか偶然かな、人さし指と親指が輪っかになり、ありがたやありがたや、神々しく仏々しい手印になりました。


 警官Bに私「あなたは幸せに生きていけるよ」


 それを数回繰り返したのち、私は運ばれていきました。


 (――お逝きなさい)


 今度こそ天国にイケるのでしょうか――。



♪  ♪  ♪  ♪  ♪  ♪  ♪  


 


 ここは檻に囲まれた天国。人生の終着駅ではないはず――。


 でももしかすると、ここから天に向かって線路が延びて、666でも777でもない数字のついた――長くて黒いアレか……アルなんとかいう海賊船なアレ――に乗って何かをさがしにいけるのかもしれない――。


 あらやだ私ったらスッポンポン。おそらく超高速振動マシン化してたころに、指輪と一緒に脱げたのかしら……。


 なんたる解放感。


 檻の中なのに。


 そう、ここは隣の警察署の留置所。

 


 へくしゅ。


 寒いわ。




 どうやらお洋服で首しめたり、窒息しないように渡さない様子――。




 意識は変な感じ。


 些細な音、動き、森羅万象に思考が高速反応する――。


――ここから出るのにクエストをクリアしなくちゃと感じる。


――数字がぐるぐるしたり、キーワードが三位一体に高速回転したり、20対80の法則の80が20になり、その20がまた80になって20になって、どんどん洗練されたり――。


 フィボナッチ数列が出てきたような、出てこないような、黄金律とかけあわされたりしちゃったような。してないような――。


 地水火風空の元素がいい感じに体内で調整。より高次に変換。体外にも配置。太陽系の惑星や、音なんかにも対応しているのかもしれない――。


 亀の甲羅に様々な数字が現れ動いたり――、球体の中に迷路があってゴールが中心で――、それが脳内と心臓そして、物理次元を超えた太陽意識(?)に対応してた――。



 ――インストール……INSTALL……SYNC……同期……同調。


 ――最適化ヘヴン――。


 完了。



 なんとなく『羅針盤』も手に入った気がする――。


《銀河ノ中心ブラックホール……の核心への同期……ハまたノ機会》


 そんな何かが聴こえた気がした――。


 


 へくしゅ。





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