第3話 圧縮

近くの大きなチーム、フルーツロールとぶつかるんじゃないか--というきな臭い話が一気に広まったのは、アタシが整備士にオイル交換を一人で任されるようになった頃だ。

そのときには、アタシもモヒカン軍団に「チビの助手」として馴染んでいた。ときどきお駄賃をくれる人の良いモヒカンもいたくらい。



本意じゃなかったけど、生きていくためには仕方なかったし、何より整備士からいろいろ教えてもらえるのが楽しくて仕方なかったんだ。

ポルテと「種籾を持った老人を襲うモヒカンたち」ごっこを演じて遊ぶのも、いい気晴らしになったし。


そんな呑気な生活は、ある日、ボスのひとことで終わりを告げる。


「野郎ども、3日後の晩にフルーツロールの砦を襲うぞ。準備は万端にしとけよ!」

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