ゆめのつづき4
話し終えて、
「このお伽話に、ハッピーエンドはない。漆黒の剣の力は、暴走する。ヒトを、傷つける存在だ。だから、闇と呼ばれる力は、誰も見たことがないんだよ」
この世に存在してから、孤独以外を知らない――――それが、漆黒の
「
「
「最後のお願いくらい、聞いてあげたら?じゃあね」
「なぁ、
墓地を出て、家へと歩きながら、
「当たり前。僕を誰だと思ってんの?」
「だーから、探してって言っても、ヤダって即答してたワケか。それにしても、まさか故人を捜してるとは思わなかった……」
「あの子は、片割れの死を受け入れられなかった。ずっと、死んでないって思ってたんだ。だって、自分がここにいるのに、どこへも行くはずがないって、そう思っていたんだよ。だけど、いつもなら感じるはずのもう一人の気配は、どこにもない」
「そりゃそーだ」
「捜せば、どこかにいるって、それだけ強い繋がりだったんだよ。僕には、理解できないけどね」
ふと、
「
そこにあるのは、
「え?!お前、そんなことまでわかるの?!」
素直に驚く
「双子の弟が言ってたの。そのくらい予想してみたら?」
「あぁ……」
「父親がよく買ってくるんだって。弟くんは、ここのバニラアイスが好きらしくて。だから、あの子は、本当はチョコ味が好きなのに、バニラ味をもう一つお願いして、自分に少しだけくれるんだ、って」
それは嬉しそうに、
平らげるまでに時間がかかり、最後は、いつも溶けかけていると。
「よし!買って帰ろう」
「並ぶなら、一人で並びなよ。僕は帰る」
「だーめ。俺は決めたんだ。お前に、孤独以外の人生を教えてやる」
「…………うっとうしい」
「ハハッ。覚悟しとけよ?」
この国には、闇がある。
手にすれば、何でも願いが叶うのだという、不思議な力が。
誰も手にしたことはなく、触れたこともない。
しかし、それは確かに、存在するのだ。
漆黒の剣は、孤独な存在――――その、はずだった。
ー第1話:ENDー ――――and to be continued……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます