ゆめのつづき3
「ほら、この先に、キミが捜してるものが待ってるよ」
手を差し出す
「キミを、待ってるよ?」
「物語の顛末とかその続きとか、そんなのが、キミの捜してるモノじゃない。キミが、本当に捜してるものは、別にある」
ひとつの墓石の前で、
そこに記されている名前を見て、
「物語の顛末を探すために行方不明だっていう、キミの弟、
震える彼女の体を、
「市は、――――」
「市がいないの……!」
静かに強く、
「ずっと、ずーっと、一緒だったのに。離れてたって、体の何処かで、市を感じてたのに」
それが、
ある日突然、それはプツンと消えてなくなった。
まるで、暗闇に一人取り残されたような感覚。
「彼はいない。キミは、ずっとそれを受け入れられないでいる。キミと
「キミの捜し物は、僕には捜せないよ。だって、もういないんだから。敢えて言うなら、ここ、かな」
「だけど、お伽話の続きなら、教えてあげる。キミの知るお伽話は、これだよね」
語られるのは、昔々の物語。
闇の力を宿した、伝説の
しかし、
男の親友は願った――――どうか、彼を助けてください。
自分は、どうなってもいいから、彼を――――。
願いは届き、暴走は止まった。
男は、親友のもとに走ったが、囚われていた親友は、牢の中で倒れていた。
呼びかけても体を揺すっても、彼は目を覚まさない。
息もしていなかった。
男は、彼を連れ、漆黒の
「ここから先が、物語の続き。男に運ばれた親友はね、光の塔の中で霧となって消えていった。男は、その後の生涯を、光の塔の中で過ごした。悲劇を生んでしまった漆黒の
淡々と語る黒樹の瞳に、寂しさが僅かににじむ。
「ずっと光の塔に閉じ込められていた漆黒の
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