規則を薄みに刻まれた 浮き足どもをよそにして


川べりの岩だけがいつも神妙だ




動は傍にみえない静を据え


はしゃぎ立てるにも境目なく


流々たる意識はおもてを滑るのみで


濁っていながら底も知れるため


理とはまあ浅く思える




そこで荒げた心を澄ますと


芯への到達から滾りは染み出で


呼吸の震えるのを気付かれまいとしながら


丸ごと解き明かされる天然に


いつかは悶えんとするのが解る




破廉恥にも似た真剣さで以て


知らぬ顔面を鋸歯状に伝う水つぶを


決してないがしろにはせず


奥歯に寄せて丁寧に愛おしみ


空気を違和に裂くことの他意を


こよなくしかと抱きしめている




いまや私には全てが解る


私の他には彼もいらぬ また


言葉は染み入り還るので


形状の鎮静はかく語るとのみ遺す







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