病巣



今朝はまっしろに肥大した


僕の腫瘍を食べた


向こう十二時間 せめて僕が


僕を失わないようにと




僕は喉元までにこみ上げる僕をこらえ切れず


嚥下しかねて脱走するのを期待するが


僕の腹の中に痼った塊はすっかり落ち着いて


また許せない日常の中に僕は埋没する




僕は僕を敢えて煮え切らせる


僕は僕を敢えて攪拌する




僕は寝床でまっしろに肥大した


僕の腫瘍をあたためて


いちばん僕を可愛がってやる


そうして毎晩眠っている





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