離人



ひとつの球体が


ひとつの球体で在り得ないように


1は生まれにつき 1では在り得ず


1とは同時に


また異なる1が生まれて


それらたがいの反発から


またひとつ生まれると同時に


反発という形で生まれた1と


同時に生まれる新たな1までが在る




つくともつかぬとも、1とも無限とも言えぬ


1の集合が


輪郭をぼやけさせながら


ばらばらと規則を描写するのが


おそらく僕の筋肉の動きで


ニューロンの動きでまた


自我の揺らぎでもあるのだが




外と内とを断ち切ろうと


内とまたその内とを断ち分けようと


(人未満の)努力という規則を描写をする


僕という球体(と、人には思われるらしいというだけの、僕のささやかな1と、僕ではない人たちの1の集合


そして僕は、人を離れている)



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