白痴
ぼくの〇〇年間という燃えかすに群がり
頭のなかを這いずる蟲の胴の
なんと白く透き通ることか
ぼくにはもはやする事もないので
やあ と言って捩れていると
悲しみのほうからぼくの元へやってくるので
ぼくは やあ と言ったまま
口の形だけ変えてみるのだ
すると悲しみは挨拶もせずに
ぼくの中へとかえってくるので
ぼくはぼくの空洞を悲しみの形に合わせてやる
そうして暫く
ぼくと、ぼくの中に在るぼく以外のものとの癒着を待って
じっとしようとしていると、
どこからきたのだろうか
きれいな水がほそくほそく流れ込んできて
それらの隙間をみたしはじめる
ぼくは同時に闇がみたくなって、
片手で片手を動かしながら、
閉じる瞼を探すのだ
ぼくがぼくの身体を見つけたとき、
ぼくの頭とぼくの身体は出会い、
ようやく
こんにちは
と、悲しく息をしたのであった
そうして僕は再生しながら、
いつでもおんなじ形を保っているのは、
いつでも今が生まれたてなので。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます