《◎GW[2019]特別企画SS◎ ~MAKIO HAZARD(前編)~》
※このSSは本来ゴールデンウィーク中に公開する予定でしたが、その頃、バッドラックではドシリアスな長編を公開中だったとのことで、水を差すのも不味いと思い急遽、第二部終了後の公開に変更されたSSとなります。
この作品の世界観は本編とは一切関係ありません。キャラ崩壊は多数含まれていると思いますが一切責任は取れません。それでも大丈夫という方は読み進めて下さい。
興味のない方はそのまま、飛ばしてください<(_ _)>
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西暦20XX年。そう遠くないかもしれない未来の……えっと、アメリカの何処か。
アメリカ特別捜査網チームにより伝達された極秘任務。立ち入り禁止区域に記録されている森林地帯にて発見された”謎の洋館”。
現地点にて、チームアルファ・チームベータ・チームシグマの三組がそれぞれ派遣。しかし、以降連絡は途絶え、一同の行方は不明となっている。
「……こちら”ヒラカズ”。異常なし」
『こちら”ココナ”! こっちも異常なしだよー』
『こちら”イマリ”。セーフ』
『こちら”サンクロウ”! 異常ないぜー!』
特別捜査網チームは本日にて、チームデルタの導入を決定する。
洋館の調査は勿論の事、以後の連絡が途絶えた他チームの現状の報告だ。
「……一度合流しよう」
『なぁ、ヒラカズ。ちょっと聞きたいことがあるんだがいいか?』
「なんだ」
『ここ”アメリカ”が舞台だよな? 全員のコードネームが揃ってジャパニーズネームってどういうこと、』
「初っ端から大人の都合に首を突っ込むな。サンクロウ」
どれが誰だかわかりづらくなるからの配慮だ。そういった解説を含めてしまうとSSと称しているこの物語があっという間に結構な文字数を記録してしまう。ただでさえ、いつもSSの誓約を満たせていないというのに。
というわけでいつも通りで行く。それが上の決定だ。
『しかし、チーム一の疫病神と呼ばれているお前となんてな。明日はデートの約束をしてるっていうのに、人生最後のデートの相手がお前だなんてまっぴらごめんだぜ』
「こっちだって嫌だよ」
『安心しなよ。デートの相手ってどうせ画面の向こうでしょ。あんたに彼女なんて一生無理だから』
『ひどい!』
無線の向こうで喧嘩が聞こえてくる。
せっかくの緊張感も台無しだ。これくらいの方がちょうどいいのかもしれないが、もう少し真剣になってもらえないものかとヒラカズは溜息を吐く。
「……っ!? 全員、ポイントBへ急げ! 至急だ!」
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ポイントB。ヒラカズが徘徊していたエリアだ。
……チームアルファのヘリだ。
何者かによって破壊されている。砲弾を受けたような形跡も何もない……ただ大きく、ヘリの扉が抉れていた。
中には被害者らしき人物は誰もいない。チームアルファのメンバーは誰一人としてヘリの中には残っていなかった。
「うわぁ、派手にやられてるなぁ~……」
「一体誰がこんなことを」
ヘリの中から出てきたサンクロウとイマリは深呼吸をする。
「カズくん、これは一体」
「……っ、待て! 何か来る!!」
耳を澄ませる。
聞こえる。何かが来る。
……狼だ。
狼が一斉に、チームデルタのメンバーへ襲い掛かる。
「なんだ、こいつら!?」
「撤退するぞ! 全員、洋館へ急げ!」
持っている拳銃を手に迎撃。各自、狼の迎撃を行いつつ洋館へと移動する。
……一体、この森で何があったというのか。
チームデルタの上陸。それは、この壮大なドラマの始まりに……なるんだとか、ならないんだとか。
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「くっ!!」
間一髪、チームデルタのメンバーは洋館へと逃げ込むことに成功した。
特殊部隊に所属しているとはいえ、これだけの長距離を全力疾走だ。スポーツドリンクの一本でもなければやっていけない。この場にタオルの一つもないのが特に呪いたくなる。
「扉の鍵を閉めろ。絶対に開けるなよ」
外に出るのは危険だ。さっきまで追いかけてきた狼の鳴き声が今も聞こえてくる。
各自、扉から離れていく。休んでいる暇はない。これより洋館の調査を開始しなくてはならないのだ……。
「……」
一人、ココナが扉に目を向ける。
「……そーっ」
「”開けるな”っつってんだろうがッ!!」
そっと扉を開けようとしたココナ。そこにヒラカズは波動コマンド技的な反動で飛び蹴りで開かれようとしていた扉を再び締め切った。
「なんで開けた! 馬鹿なの死ぬの!?」
「絶対○○~っていうのは、逆にやれっていうのが日本のお約束だって聞いたことが」
「舞台”アメリカ”! ノット”日本”! OK!? アメリカのいろは知ってるのお前とイマリくらいだろうけど!!」
本編ではアメリカ横断を経験したことがないヒラカズとサンクロウ。
何せ、疫病神と言われているヒラカズが飛行機に乗るものなら、高確率で墜落するかテロが起きるのではと噂されるくらいだ。現にこうして、ここまでの移動に使ったヘリコプターが謎の攻撃による破壊に苛まれたりしなかったのが不思議なくらいだ。
「全く……行くぞ」
洋館のどこかに何か秘密が隠されているはずだ。
チームアルファのメンバーは何処へ行ったのか。そもそも、何故こんな廃墟も同然のような洋館の調査を任されたのか。
一同は進む。任務を全うするために。
「そういえば、チームアルファの行方はまだ分からないけど……残りのメンバーの行方はつかめた?」
「アルファチーム以外のヘリは見つからなかった……でも、他チームとの通信記録がアルファチームのヘリに残ってたわ。そこにヘリの現在地も記録されていた」
思いがけないところでデータを取得。思ったよりも仕事が進みそうだ。
「チームベータは何処にいた?」
「南米方面に。たぶんだけど、道を間違えたわね」
「チームシグマは?」
「太平洋を横断中。たぶん迷子ね」
「やめちまえ! まとめて、この仕事ッ!!」
特殊チームともあろうものが方向転換が壊滅的だ。そもそも、空の旅に迷子もクソもあるものか。余程の機材トラブルでもない限り、そんな場所を飛行することがあるものか。
呆れて声も出ない。ヒラカズはドっと息を吐いた。
「大丈夫カズくん? ここに草加せんべいでもあるけど食べ、」
「お前は世界設定を守れッ!! 本編の舞台すら忘れてるし!!」
まとまりのなさすぎるこのチーム。たぶん、ここへやってくることはないだろう援軍の行方。
色んな意味で大丈夫なのだろうか、この任務……物語は後半へ続く。
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