第4話

 ユウカさんと落ち合った僕たちは、定食屋のテーブル席についていた。


「にしても2年目で新製品の企画なんて、頑張ったじゃねえか」

「いえ、冴島先輩に比べたら全然そんなことないですよ。でも、ありがとうございます。先輩にそう言ってもらえると、もしダメだったとしても……」

「ユウジくん、そんなこと言わないの。トオルくんってば最近家ではユウジくんの話ばっかりしてるのよ?ちょっと妬けちゃうくらい」

「えっ、妬いてたのか?ごめん!」

 冴島先輩が少しわざとらしくリアクションをとる。


「ふふ、冗談よ。でも、それくらいユウジくんとユウジくんの企画に期待してるってことよ。大丈夫。きっと採用されるわ」

「そうだぞ、自信持て?ユウジ」

「冴島先輩……ユウカさん……ありがとうございます……」

「はいよ、カツ丼3人前おまちどおさま!」

「じゃぁ、ユウジの企画採用を祈って!」

「「「いただきます」」」


 カツ丼を食べ終わってからユウカさんと別れ、僕たちは会社に戻る。

「ユウジ、今日の夜空いてるか?祝勝会だ、奢るぜ?」

「残念会かもしれませんけどね……はは。でも、すいません。今日の夜は大事な予定が入ってて」

「大事な予定って……お前まさかエリちゃんか?あのときさらっとプロポーズのこと聞いてきたのはそういうことだったのか」

「そうなんです。そういうわけで、今日の夜は……」

「それならしゃーねえな、頑張れよ!」

 そう言って冴島先輩は朝のように僕の背中を叩く。

「ありが……うっ……カツ丼が……」

「おっと、悪い」

「いえ、ありがとうございます!」

 いざ、戦場かいぎしつへ!

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