将来の夢を見つけたとき 鳥居 大悟
僕の将来の夢は二つあります。一つは世界中を回って、様々な文化や違いを学びたいと思っています。
もう一つは医療従事者を目指したいと考えています。医療従事者と言っても細かくはたくさんの職業があります。
医者、看護師、検査技師、薬剤師も含まれると思います。僕の学力やお金のこともあるので具体的には進学して、大学に入る前には決めたいと思います。
僕が医療を目指したいと思ったきっかけは、僕が授業中に怪我をしたときでした。
体育の授業でハードルのタイムを競っていたときでした。僕はハードルにかなり自信がありました。だから最初から思い切り飛ばしていました。今思えば調子に乗っていたと思います。
三つ目ぐらいまでは順調でした。でも次に飛ぶとき、タイミングが合わずハードルに足が引っかかりました。
すねをぶつけた上、派手に転びました。骨が折れたかと思うほど痛かったです。擦り傷も少しありましたが、痛さほどでもなかったと覚えています。
すぐに先生が来てくれ、保健室に連れて行ってくれると言ってくれました。でもハードルに自信のあった僕はとても悔しく、それに保健委員だったので一人で保健室に向かうと言って、先生についてきてもらうのを断りました。
途中強がったことを何度も後悔しました。大声で先生を呼ぼうかとも思いました。それほど痛かったのです。
保健室に向かって歩いているそのとき、前から篠崎さんと大山田さんが歩いてきました。
痛がっている格好が本当に恥ずかしかったです。でも隠れることが出来ませんでした。
そんな僕に気がついた篠崎さんは僕を保健室まで連れて行ってくれました。本当は一人で行くと言いたかったのですが、痛すぎて言えませんでした。男のプライドもズタボロです。
篠崎さんは僕と同じ保健委員です。女子もハードルの授業で、大山田さんがこけて怪我をしたので篠崎さんが保健室に連れて行ったそうです。
その帰りに僕に出会い、二回目の保健室だったそうです。
保健室に着いて、保健の先生がいないことに僕はびっくりしました。少し席を外していただけだったのですが、痛くて帰ってくるまで待てないと思いました。
でも心配はすぐになくなりました。
僕が椅子に座ってい待っている間、篠崎さんが湿布や消毒を準備していました。そしてすねには湿布、傷には消毒をしてくれました。
とても手際が良く、保健委員だと言うことでは説明が付きません。篠崎さんに理由を聞くと、篠崎さんのお母さんが看護師をしていて、小さいときから仕事を見ていたというのです。
湿布を貼ったり消毒をしたり出来ることだけでも簡単にはできないことだと思いますが、お母さんの仕事を見て覚えたということにとても驚きました。
保健室の先生が帰ってくるまでの間に、篠崎さんは先生の仕事を終わらせてしまいました。
僕は篠崎さんにお礼を言うと篠崎さんは、今度は他に怪我をした人がいれば助けてあげてほしい、と言いました。
その言葉は僕の胸に大きく刻まれました。
今まで他の人のためにとか、他の人を助けるということを考えたことがありませんでした。
いつも自分が一番で、まずは自分が楽しめることを考えていました。
でも篠崎さんは違いました。
その言葉に、僕はまた恥ずかしくなりました。
途中から保健委員が僕一人になりました。それでも僕はできる限り怪我や病気の人を保健室に連れて行ってあげました。
僕は篠崎さんのように消毒や湿布をしてあげることは出来ませんでした。
でも篠崎さんの言葉を思い出すと、いつか僕も人を助ける仕事がしたいと思うようになりました。
このことがきっかけで、僕は将来医療従事者になりたいと考えるようになりました。
ハードルはとても高いと思います。
でも僕はハードルを飛び越えることに自信があります。
今度はこけず、夢のハードルを飛び越えたいと思います。
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