第4話 麻雀部のみんな【麻雀回前半】
「リアル牌だから牌の種類教えるのラクだにゃー」
「合成素材とは言え象牙背竹なんだよね……変に自然物感出そうとせずに機械らしく均一な組成」
「その昔、竹の目を覚えてどの牌か判別する技術があったらしい」
「プリンタで一気に設定した形状を出力すればいいのに手彫り工程までしっかり再現して作ったそうだから我が部自慢の一品ですにゃあ」
「その牌を作って貰った部長は全自動卓を再現した映像卓に入り浸りだけどね」
部員4名が一気に喋って、その発言主の個別説明を省略する代わりに合成素材の話を……
自然界の生物によるデータは遺伝子資源と呼ばれ、現存する内にその組成物質データを解析しておけば、このように象牙を模した物質、竹は植物なのでデータ上で育成シミュレーションを行って良質な竹を算出し、それを切り出した場合の組成などを導き出す……
そして麻雀牌に最適な重量と強度になるよう再計算したものがこの部室で使われてる麻雀牌。
とりあえず塔子は
そんな風に順を追って説明を受け、一部の例外を除き同じ牌を2枚揃える
ちなみにあと1枚で順子になる牌2枚の状態を
だからって
「将棋には待ったというのがあるけど麻雀には無い……今回は塔子ちゃんに教える為にやりたい放題するけど……マネしちゃダメだよ?」
そう発言した瞳が銀色で結んだ三つ編みを右流ししている青髪の女生徒の名前は
「今振ったサイコロの出目で山から取る順番が変わって……それで出来た13枚を配牌と言うにゃ……えー、皆様。役は出来そうですかにゃ?」
こちらはゴスロリ服にカッパーバッジを付け、背中半分まで伸ばした金髪自体はシンプルで柔らかい髪質……瞳の色はアメジストだけど、ここで両側に翼飾りの付いたカチューシャをを想像して欲しい……
それをメカニカルなデザインにアレンジしカラーリングはビリジアンを暗清色の範囲で黒同然にして翼の段々部分などに黄緑で出来た半透明素材を施せば、この
着痩せしてるけどこの女生徒、暗城雲雀の胸の大きさは完全体になった時の佐野山先生と同じくらいで……次の女生徒の胸も後れを取らない。
「一見ダメな配牌でも今後のツモで大きく変わるし、
今度はバッジの無い塔子と同じ地味制服の女生徒が発言……この制服だと胸の大きさがそのまま出るから暗城雲雀より大きく見えるものの実は辛うじて負けてる。
髪の色はベージュで後髪は首が見え隠れする長さまでしか無いけど前髪は右目を隠すように伸びてて、常に出てる左目は真っ赤だけど……隠れてる右目はピンク色だったりします。
髪型は全体的に丸みを帯びたような形状で、そんなオッドアイ女子の名は
「じゃ、
ひと際威勢のよい声でそう言った結構立派なツインドリルヘアの緑髪で瞳の色はアクアマリン……数日前までダンボールバッジを付けてた地味制服の女生徒の名は
部員5名の中で胸の大きさは下から2番目……つまり茶遠一と同じくらい。
今4名がやってるように洗牌とは麻雀牌を指先で混ぜてシャッフルする行為でこの際の音はかなり大きいけど、緑のマットの上で飴のように透き通った茶色を背にした白い牌の群れが跳ね回る様はなかなか趣がありそう……
「麻雀牌は全部で1から9までの数牌が3種類、風牌が4種類、三元牌が3種類……数牌を27種類とすれば合計34種類の牌があって麻雀牌は1種類につき4枚あるから全部で136枚……
「基本的に赤牌1枚ずつでやってるけど、赤5の牌3種は4枚ずつ作って貰ってたから環境的には出来るんだよね……赤牌4枚ずつの麻雀……やらないけど」
「流石の私も赤牌2枚ずつより増やすのはどうかと思う……」
山を作成してる間に岩瀬麻七、西郡灯花、北内桃奈子が発言し、準備が整う。
ちなみに風牌はフォンパイとも読むけど、この部ではカゼハイが主流だね。
「あ、この配牌いい……塔子ちゃんこっちおいで、メンタンピン三色の手作りが見せれそう」
部員達と塔子が自己紹介する場面は割愛したけど、それ以来塔子は喋って無いね……塔子は西郡灯花に言われるまま背後へと回り……暗城雲雀が発言。
「アンは發が対子だから切って来たらポン出来ますにゃ……見逃したい手牌状況だけどにゃー」
「じゃ
「そしてポンをしたら誰から鳴いたか……貰ったかを示す為に、牌を横にするのですにゃ……この發がドラだったら早くも場が緊張状態になるけど今回はドラ表示が2ピン……筒子の2だからドラは筒子の3ですにゃ」
北内桃奈子に続き暗城雲雀がそう発言する……塔子は既に赤牌の説明も受けてたけど、この会話の流れを補足すべく、岩瀬麻七が発言する。
「ドラ表示牌と言うんだけど、例えばそれが9ピンだった場合ドラは1ピン……つまり一番最後から先頭に戻るの……これでドラ表示牌が中だった時と北だった時は何がドラになるか……解る?」
「あー……中の時は白、北の時は東がドラになる……」
「正解だよ塔子ちゃん! そして牌が4枚揃った時に出来るカンが成立すれば、ドラ表示牌の右隣を捲って、それもドラ表示牌になる! カンドラって言うんだよー」
「5の赤牌がドラ表示牌になっても6がドラになるだけなんですにゃ……ドラが5の時、赤牌はドラ2と覚えればいいよー」
「そこでカンをしてカンドラ表示が同じ4だったら赤牌1枚持ってるだけでドラ4になるんだよ!」
「……塔子ちゃん。麻雀は手役を作るゲームでドラはそのサポート役だからね? あと自分の手牌だけで4枚揃えた時のカンは
暗城雲雀の口癖と岩瀬麻七の大人しい口調を手掛かりにすれば判別出来そうだけど、ちゃんと説明すると塔子の発言後、北内桃奈子、暗城雲雀、北内桃奈子、西郡灯花の発言順でした……
暗城雲雀はキャラを意識してじゃ無くて少し気が緩むと件の口癖が発生する無意識性の猫キャラと言えます……さて麻雀は続く。
席順は
本来は東家の後に下家である南家がツモる筈だったけど西家がポンという鳴き行為……仕掛けにより、下家がツモるはずだった牌は上家に流れる……麻雀は常にツモった時に手牌が14枚
このように麻雀用語は日本語の読み方が結構混ざってるので、言語の一種だと捉えた方が覚え易くなる人いるかも……
「……やっと私のツモ番来た。塔子ちゃんにメンタンピン三色見せれるかな」
西郡灯花が発言し、その手牌を理牌すると萬子が1、6、7、8。筒子が2、8、9。索子が1、2、4、6。字牌が東、西にツモが索子の3。この情報は今後、以下のように表記します。
萬1678筒289索1246東西ツモ索3。
「
牌があったらタンヤオにならない……だからメンタンピン目指すなら東か西を切
るんだけど……今は東場で東は風牌……3枚揃えば
親の、もなちゃんが自分の風牌である東をポンしたら……どうなると思う?」
「場風牌と自風牌で……
「正解! ダブ東って言うんだよ! でも今私、東が1枚しか無いから鳴けない
なぁ……次のツモで重なって2枚になる可能性もあるけど」
西郡灯花の問いに呟くように回答した塔子に北内桃奈子が空かさず発言し再び
西郡灯花が発言……西郡灯花の口調はスタンダードというのが手っ取り早そう。
さっき風牌はフォンパイとも読むと言ったけど……今は
南家の西郡灯花にとって南は
呼びます。
ダブ東には
少し前に塔子が受けたのは自風牌と場風牌と客風牌の説明だけでした。
「だからここで東を切るか温存するかの判断は普通に博打なんだよね……そして
ここでもなちゃんが鳴けるかどうかの情報は実戦では知り得ない事……とりあえ
ず東を切って、続けるね」
「自分が使えると美味しい牌は他家にとっても同じ……終盤になるほど手放すの
が危なくなるから早めに切る……これを
一際大人しい声で岩瀬麻七が発言し、3巡が経過して西郡の手牌は……
萬678筒289索123468西ツモ索7。
「2ピン切るけど……これイッツー……
「まだ切ってない西が重ねればオタ風……自分の風じゃない風牌で対子……つまり
暗城雲雀がそう言うと自身の手牌から筒子の3と4を取り出して鳴いた2ピンを横に倒す……これで暗城は二副露……13枚段階の今の暗城雲雀の手牌はこう。
不明牌7枚……チー筒234ポン發發發。ドラは筒3。
「これでひばりちゃん、發ドラ1で二翻が確定……30符だったら2000点だけど、ドラか赤ドラが1枚来ると3900点になる」
「親は子の点数の1.5倍だから私だったら、その手でも2900点、ドラが来れば5800点になるんだよ!」
「それとね塔子ちゃん……今2ピン切ってチーされたけど、ドラ傍の牌を切るという事はその周りの牌が来ても嬉しくないから切ったという事なの……1枚あるだけで心強いドラを切るって事は手役が絡んでて、それがもし三色だって判ってたら……相手は何の三色を目指してるって推測出来るかな?」
「2ピン要らないって事は123、234の順子を使わないから……5以降の牌が必要な順子を狙ってる……?」
「2234だったら2ピン切るのは考えもの……22を雀頭にする事も出来るし更にドラの3ピンが来れば
西郡、北内、岩瀬、塔子、岩瀬の順でそう発言して、更に巡目は進み西郡灯花の手牌はこうなり……何やら悩ましい口調で西郡灯花が発言。
萬678筒789索1234668ツモ筒5。
「どうするかなー……これ。あ、塔子ちゃん私の手牌バレる事気にせず、何が来れば三色になって一通になるか言っていいよ……一気通貫は3面子使って1から9までの同じ数牌を集めた時の二翻役……鳴いたら一翻に下がるよ」
「678の三色だとあと必要なのは6ピン、7ソウとあと1枚で完成。一気通貫だと索子の5、7、9が必要で……あれ雀頭」
「そうそう……でね、あと一枚で完成する事を
「ツモで本当に色々変わるんだなぁ」
「三色と一通は同時には出来ないから、どっちか選んでこっちでしたとかあるのがねー……さて、私はこれでイーシャンテン!」
西郡灯花と塔子の会話に北内桃奈子が駆け込むようにそう言って……
「その7ワン、ロン……2000点ですにゃ」
暗城雲雀が残りの手牌を倒し、それは以下の内容だけど更に発言……
萬89索456西西……チー筒234ポン發發發。
「この手は晒した字牌3枚……
そう言うと暗城雲雀は右に寄せていた2組の面子を合流させ……このように。
萬789筒234索456西西發發……離れた位置に、發。
「これが面前でロンあがりした場合の話をしますかにゃ……この形は
「ふーていが20符で自風牌対子の2符にロンによって出来た明刻の4符と面前加符の10符で36符を切り上げて……40符二翻?」
「正解。にゃあこれがツモ和了だった時の符数は? 面前加符が消えるけどツモの2符が入って
「20足す2足す8足す2で32符だから……40符!」
「正解……面前の時のツモで注目したいのは
暗城雲雀がそう言うとドラ表示牌とその下の牌を取り出し……背中合わせに重なってた裏ドラ表示牌が南である事が判明し、塔子が言う。
「立直門前清模和發ドラ1に裏ドラ2枚で……40符六翻……?」
「40符四翻からの
「鳴くって事はこの可能性を放棄する事なんだにゃ……でも面前と仕掛け、どっちがいいかは……」
「定まる事は無い……現に私は手作りにもたついてる間に2000点の手に負けて、0点……裏ドラは乗るとは限らないし、メンタンピンは裏ドラがヤオチュウ牌だったら絶対乗らない……」
「じゃ、次の局行ってみようかー! ちなみにヤオチュウ牌の暗カンだったら32符で明カンなら16符……中張牌の暗カンは16符で明カンは8符だよ! 中張牌は暗刻で4符、鳴いた明刻2符と安いんだよねー……」
北内、暗城、西郡と続き最後に北内が補足するように発言すると西郡が言う。
「もなちゃん、点数計算全然もたつかないよねー」
「字牌暗カンは一翻アップとか言わないよ! とりあえず70符だと三翻で満貫になるから覚えといて!」
活き活きと答える北内桃奈子……さて、ここからは所々の局面を取り上げて行こう……
東1局が終わって東2局0本場、親は東南西北の逆順で回って行くので今度は南家だった西郡灯花の
「見て見て塔子ちゃん! 流局時他三人が聴牌して私だけノーテン! この場合だと私が他3人に1000点ずつ……合計3000点支払うの!」
何やら嬉しそうに塔子に報告する北内桃奈子……その次の局も流局で聴牌したのは2人だけ……この場合、ノーテン者が聴牌者に1500点支払いそれが2組いるという事なんだけど……岩瀬麻七が塔子に話し掛け、自分の手牌を見せる。
「塔子ちゃん……この手牌は何府?」
萬2344赤56筒3477……チー索768。
「副底の20符と順子は0符で両面待ちも0符だから……20符!」
「それで合ってるはずなんだけどメンタンピンを鳴いた形は30符として扱うの……面前の平和ツモには2符がつなくて20符になったりするし麻雀には例外もある事を……知ってね」
「はいはーい!
塔子と岩瀬麻七が発言するや北内桃奈子の声が響く……次の東3局2本場。
「ひばりちゃん、それロン……塔子ちゃん、面前で聴牌してても立直しない事を……闇聴牌……ダマって言うの」
「タンヤオドラ1の2600点だけど、積み棒2本あるから3200点の支払い……確かに赤5
「私は行っちゃうなー……5200点になるし裏ドラが乗れば満貫だもん!」
「ドラが何かにもよるなぁ……今は9ワンがドラだったから、即リーした直後にドラ引いて両面に変える事が出来なかった……とか起きにゃいし」
岩瀬、西郡、北内、暗城の順に発言して、次の東4局0本場……暗城が叫ぶ。
「にゃー! 立直から少し時間かかったけどツモ! 塔子ちゃんこれは何符だと思うかにゃ?」
萬334488索1199北北白ツモ白……ドラは索3。
「単騎待ちの2符に6枚ある対子の内、2符になるのは……」
「実はこの手役……
「じゃあ立直ツモ七対子の25符四翻……あ、満貫じゃないんだ」
「正解! 裏ドラは4ソウだから乗らないね……25符四翻は6400点でツモの時は点数の半分を親から貰うので親から3200点、子2人からは1600点。雀頭1組面子4組を揃えるってルールの主な例外が七対子と国士無双だよ!」
暗城と塔子の会話に切り込む北内桃奈子……そして次の南1局0本場……
「塔子ちゃんにダブロン見せたいから何の牌か聞き出して振り込んだら……」
「私が2000点ひばりちゃんが1000点……30符三翻より安かったという」
「ダブロンがあるから例えば上家がシャンポン待ち、下家が
「頭ハネという、ロンされた人から見て一番早くツモれる人しかアガれないってルールもあるよ……例え
西郡、岩瀬、北内の順で発言し南2局は流局に終わり、南3局1本場へ。
「にゃー……この中を切れば立直だけど……」
「待ってましたと私がロン! やっぱりホンイツとトイトイが複合するって素晴らしい!」
「南も中も私ずっと持ってた……やっぱり切れないの」
「もしかして……ドラも抱えてない?」
「うん……1枚持ってたら2枚になったの……」
暗城、北内、岩瀬、西郡、岩瀬が発言……北内桃奈子の手牌は以下の通り。
萬55赤5南南中中……ポン萬777ポン萬999。ロン中。ドラ東。
他の数牌を使わずに1種類の数牌と字牌だけで手配を揃えた場合、
手牌を全て刻子……ポンだけで手牌を完成させた場合、
萬555777999南南中中……ツモ中。
今回は鳴いたので混一色対々和と中赤1でハネ満……さて暗城雲雀の親が終わり連荘が無ければこれで最後となる南4局……東家つまり親は岩瀬麻七で……南家は北内桃奈子、西家は西郡灯花、北家は暗城雲雀……ここで北内桃奈子が発言。
「ねぇ塔子ちゃん……見ての通りオーラス……南4局にしては点差のバラ付きが少ない状況だけど……最後に塔子ちゃん、私の代わりに打たない?」
「え……?」
「マナナが2万6000点、モナが2万7700点、トモカが2万3400点、アンが2万2900点……誰もがトップを狙える緊迫した点棒状況ね」
「あ、部長。終わったんですか?」
「
「せっかくだから部長も打つ……? 私、代わるの……」
「いいけど……今、気が立ってるよ? 普段と変わらないって言われそうだけど……塔子さん。それでも構わない?」
「せっかく用意してくれた機会だから喜んで……えーと、はじめまして……」
突然の申し出に塔子が困惑する中、力強い声でそう言ったのはこの半荘中ずっとデータ構築された全自動卓で打ってた最初に紹介した紫髪私服ドレスの女生徒……その後の発言は西郡、部長、岩瀬、部長、塔子で、この部長の名前は部員達との自己紹介の際に塔子は一回だけ教わってたけど……そんな部長が言う。
「決まりね。では改めてアタシから自己紹介したら……始めるから」
この部室内は映像素子充満空間なので、麻雀部の部長が指先で文字を書く……ソフトのアシストによってその白い線は筆で力強く引いたようなタッチになり、そうして描かれたのは『恵』と『森』の2文字で……
部長から見て描かれた2つの漢字は横回転しながら塔子の目の前へ移動し塔子から見て読める向きで止まり……その間に『清』と『河』の漢字が描かれ、同様の動きで塔子の目の前の筆文字と合流……
そして部長は岩瀬麻七のいた席に座ると口を開く。
「アタシの名前は
恵森清河の目の色は鮮やかなコバルトブルーに水色を混ぜたような色……その瞳が顔を歪めない程度に鋭いものとなってて殺気さえ感じ取れそう……
声はよく透き通ってるけど、さっきからその声で力強く発してるから刃物のように尖った印象を受ける……それは他の4人と全く雰囲気が異なる、険しいものだった。
「んー、せっかくだし部長が私の席、塔子ちゃんがともかちゃんの席に着く!
っていうのどうかな?」
「トップと4300点差かー……面白いね。じゃひばりちゃん、私と席交換しようか」
「おっけーですにゃ。ちなみに本当は半荘の最初から最後まで同じ席順で打つからね? 席交換なんて代打ちですら無いし……」
「遠距離でのネット対戦だったら有り得ないわ……本当に、やりたい放題ね」
北内桃奈子に続き西郡灯花が提案して暗城雲雀が同意……
恵森清河も異論は無いようで席に着き直し……東家は暗城雲雀、南家は恵森清河、西家は塔子、北家は西郡灯花……
つまり塔子から見て上家が恵森、対面が暗城、下家が西郡……そんな席順になりました。
暗城雲雀が恵森清河以外から1500点でアガれば連荘となったりするので必ずしも最後とは限らないけど……塔子の初めての実戦麻雀という事には変わり無し。
配牌を整えるまでは北内桃奈子がやってくれて……ここから先は枚南塔子が単身でオーラス麻雀に身を投じます。
「み、みんなよろしくー……」
相変わらずの半目と微妙に開いた口でそう言った塔子の声は困惑の色が抜けてなくて、戦いのゴングと言うには頼りない響き……それでも戦場は戦場。
闘牌が始まった――と、それっぽく盛り上げようとしてみる。
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