第七章『藤本ミラクル?』

朝の学校の玄関前、パレット部の看板を持ちながら募集をかける裕子と史。

裕子「パレット部という部活があります! ボランティア活動がメインです! 高等部限定ですが! 楽しいので入ってみてください!」

史「楽しい部活なので入ってください」

募集をかけるも高等部の生徒達は素通りしていくばかり、そんな中、子供っぽい人が裕子が持ってる看板を見ていた。

亜弥「へぇ〜パレット部か! 面白そう! ねぇねぇ! 私も入っていい?」

なんと!早速入部したい人が見つかった!しかしその人は裕子が知っていた……

裕子「さっきの人じゃないですか」

亜弥「あ! この前学校の校舎の散策をしていた人じゃん! 久しぶり!」

史「裕子、その人知ってるの?」

裕子「はい、学校の中を散策してた時に声をかけられて……」

史「なるほどね」

話していたら朝のホームルームの時間が迫ってきた。

亜弥「わわわ……急いで教室行かないと! って事で私もパレット部に入部するから放課後に二年三組にいるから迎えにきてね! 約束だよ!」

裕子「分かりました」

史「えぇ」

亜弥は急いで教室に向かってしまった。裕子と史も急いで自分達の教室に向かう。

史「私達も急ぎましょう、そして、彼女の迎えは裕子が行って、私が行っても知らない人扱いされるから」

裕子「分かりました、亜弥先輩の迎えを引き受けます」

史「なんで名前知ってるの?」

裕子「亜弥先輩自身から紹介されましたから…」

と会話をして史と別れ、急いで裕子の教室に向かったのだった……

普通に授業を受けてるうちにあっという間に放課後になった。裕子は亜弥の約束を守る為に二年三組に来ていた。

裕子「ここかな?」

すると二年三組のドアの横から亜弥が飛び出してきた!

亜弥「やっほー!」

裕子「わぁ!」

亜弥が飛び出してきた事を裕子は驚いて尻餅をついてしまう。

亜弥「尻餅つくほど驚いた?」

裕子「そんなことしたら誰だって驚くよ!」

裕子の発言に亜弥の表情を変えた。

亜弥「そんなことないよ」

裕子「え?」

亜弥「毎日こんな事をしてもみんなスルーされるもん、驚いてくれたのは君だけだよ……」

寂しそうに呟く亜弥に裕子は

裕子「そうだったんだ……ごめん、知らなかったよ」

亜弥「謝んないでよ! 今教えたばかりだから知らなくて当然! さぁ! パレット部をやってる所を案内して!」

裕子「分かった、案内するね」

いつも通りに戻った亜弥に案内する裕子はパレット部室まで移動したのだった……

パレット部室を到着した裕子と亜弥は早速中に入った。中には既に史と映美先生が待っていた。

映美「史から聞いたぞ、この人が新しい部員か?」

亜弥「そうです!」

裕子「朝にパレット部の募集に声をかけたら亜弥先輩が入るみたいで……」

史「すごく興味津々に来てたわ」

映美「なるほど」

亜弥がパレット部に入る理由を聞く間も無く、納得する映美先生。新しい部活に入った事で嬉しさが止まらない亜弥は早速、自己紹介をした。

亜弥「初めましての人もいるから紹介しまーす!私は色彩学園二年三組の藤本亜弥でーす!よっろしくぅ!」

裕子「一年三組の大無田裕子です」

史「……三年一組灰谷史」

映美「一年三組を担当している一色映美だ」

亜弥「裕子ちゃんに史パイセンに映美先生!みんなよろしくね!」

史「……なんで私だけパイセンなの?」

亜弥「だって私より一つ上でしょ?だからパイセン!」

史「よく分からないけど好きにして」

亜弥の呼び名に呆れる史、ますます賑やかになりそうだ。

映美「これで部員は三人になった、でかしたぞ、裕子」

裕子「はい、みなさんが協力してくれるおかげで始められそうです」

映美「この調子で部員を集めてくれ」

裕子「分かりました」

パレット部を始まるまであともう少し、期待が高まった裕子は次に備えて学校を下校したのだった……

ーーパレット部の様子を見た万紀はこのように述べた。

万紀「ほぅ?パレット部か……面白そうだな……裕子の奴、よくやった方だな、うっせー奴も史の奴も、そしてあたしが知ってる先生が入ったなら仕方ねぇ、いっちょう、入ってやるか!」

万紀は次の日を狙って裕子に入っていいか聞く為に街へ帰ったのであった……

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