第三章『私に出来る事』
学校帰り、裕子は寂しそうに自分の部屋に入った。そう、自分の家に帰っても両親が共働きでいないのだ。
裕子「まずはどうしよ……」
どうやら裕子は新しい部活について考え始めたらしい。いくら考えても答えが辿り着かない。時間が深夜にまわるごろ、何かが閃いた。
裕子「そうだ! 色にまつわることがしたい! ボランティアがメインで、暇さえあったら色の事について調べたい! そして美術部とはちょっと似ててしまうけど絵の訓練もしたい!」
嘘のように語り出す裕子。独り言でありながら閃いた事をノートを取り出し、シャーペンでスラスラ書いていく。しかし、部活の名前を悩んでいるのか、シャーペンの手が止まってしまった。
裕子「あぁ……後もう少しなのに……」
部活の名前を考えていくうちに朝を迎えた。
裕子「あ! やばっ! 学校行かなきゃ! しかも一睡もしてない! 最悪!」
そんな最悪な日を朝ご飯を食べてから登校したのであった……
何もなかったように登校し、教室に入った裕子。しかし一睡もしてないため裕子にクマが目立つ。裕子のクマに気づいたのは朱色の髪をし、ツインテールをして左目に眼帯をしたオタクっぽい人だった。
???「……裕子大丈夫か?」
裕子「はい……すごく眠いです」
彼女は朱宮千晶(しゅみやちあき)、クラスの自己紹介の時、雑にやる気のなさそうに終わった人だ。しかし、今は眠そうな裕子のこと心配してるようだ。
千晶「なんで寝不足になったんだ?」
裕子「新しい部活を作ろうと思って色々考えたんだけど……内容は決まったんだけど、名前が決まらなくて……」
すると千晶は諦めそうな顔で言ってきた。
千晶「本当はやめた方がいいよ、何言われるかわかんないし」
裕子「やってみないと分からないです! 私は色んな部活をやってみたんですけど、全部ダメでした!」
千晶「はぁ? 嘘?」
裕子「本当です、私はこれが原因でいじめられましたし」
裕子が放った言葉に千晶が驚きの言葉を発した。
千晶「イジメをやった人がバッカじゃないの!? 人は違っていいんだよ! なのにわかってない人はガキだよガキ! 裕子、あんたが悪いわけじゃないから気にしない方がいいよ! いつまで過去を引きずったって変わりはしないから! 裕子は自分が出来る事を作るそのために新しい部活を作ってんだろう? だったらさっさと作って新しい自分に出会えるんだ!」
裕子「はい……ありがとう千晶ちゃん、おかげで新しい部活の名前を浮かびました」
千晶「なんて部活だ?」
裕子「パレット部です」
……千晶は驚き過ぎて言葉を失った。でも、興味を持ったのか、裕子に質問した。
千晶「どんな部活なんだ?」
裕子「ボランティアがメインでボランティアの依頼をきたら色々こなします、ボランティアの依頼が来なかったら色の事について調べたり美術部に似てしまいますけど、絵を描いたりします! ボランティア活動で色んな色に染まって欲しいので私それならできるかも」
千晶「なるほど、ボランティア活動がメインとするなら私は納得かな」
裕子「本当ですか!?ありがとうござ……」
次の瞬間、裕子が倒れてしまった。裕子が倒れたことで騒つく生徒達。
千晶「一睡してないからこうなるんだもぅ……しょうがない人だな……面倒くさいけど運んでやる、裕子が作った新しい部活期待してるよ」
千晶は裕子を抱えながら保健室へと運んだのであった……
保健室、幸い保健の先生はいない。保健室のベッドで裕子が意識を失っていたまま眠っている。放課後になったごろ、裕子は目が覚めた。
裕子「あれ?ここって保健室?」
するとカーテン越しから人が現れた。
裕子「誰?」
映美「私だ」
映美先生はカーテンを開け、裕子の様子をうかがってきた。
映美「大丈夫か?」
裕子「はい、大丈夫です」
映美「なんで昨日は一睡しなかったんだ?」
裕子「ごめんなさい……」
映美先生の問いかけに謝る裕子、すると映美からこんなことを言い出した。
映美「朱宮から聞いたぞ、新しい部活を作るんだって?」
裕子「はい」
映美「実際部活の名前と内容を教えろ」
裕子「新しい部活を作るのはパレット部というボランティア活動です、ボランティア活動がメインでボランティアの依頼が来たら色々こなします。ボランティアの依頼が来なかったら色について勉強します、そして美術部と同じになるんですか絵を描きます、ボランティア活動で色んな色に染まればいいなと思います」
裕子の説明を黙々と聞いた映美先生はこう話した。
映美「パレット部、名前はユニークだか、内容がボランティア活動なら問題ない、明日の放課後、学園長室に来い! 分かったな?」
裕子「はい、分かりました」
もしかすると自分が作った部活が実在するかもしれない。その期待を胸に明日を待ち望んでいたのだった……
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