第四章『彩れ!私の色』
裕子「あぁ……ドキドキする……」
昨日のアレ以来、気にしていくうちにあっという間に放課後になってしまった。おろおろしながら学園長室に向かう裕子。向かう途中、映美先生に会った。
映美「裕子じゃないか、私も今向かってるところだ」
裕子「映美先生、やっぱり緊張しちゃう……」
どうやら裕子は緊張してるようだ。
映美「大丈夫、私も付いている、今まで通りに話せ、分かったな?」
裕子「はい、分かりました」
少し緊張をほぐれた裕子は映美先生と喋っていくうちに学園長室に着いたのだった。
いよいよ本番だ、映美先生は学園長室のドアをノックする。
映美「学園長、入ってもよろしいですか?」
学園長「はい、どうぞ」
学園長の入室許可を得たので、裕子と映美先生は学園長室に入室した。入ってみるととても豪華でとても落ち着いた学園長室だ。
学園長「映美先生、おや? 入学生を連れてどうしたのでしょうか?」
学園長は白髪に若々しく、緑のロングワンピースを着たとても偉い人。
映美「学園長、今日はご用があってきました」
学園長「ほぅ、どんなご用でしょう?」
映美「新しい部活の申請をしに参りました」
学園長「新しい部活? どんな部活かしら?」
映美「どんな部活なのか大無田裕子が説明してくれます」
映美先生が裕子に託す。
裕子「は……初めまして、一年三組大無田裕子です」
学園長「貴方が大無田裕子さんなのね、入学式でご挨拶させて頂いてますが、こうしてこんな形にお話しさせるのは第四十一回入学生の大無田さんが初めてだわ、私、色彩学園長の千色世里子(せんしょくせりこ)と申します」
少し甘い匂いがするのか裕子は学園長の机に置いてあるお菓子を気になってしまった。
世里子「あら、大無田さんに見られてしまったわ、大無田さん、本当は視線をそらしてはいけませんよ?」
裕子「ごめんなさい、甘い匂いがしたものでつい……」
世里子「まぁ……甘い匂いがするのも無理もないわね……」
映美「またお菓子を食べてるんですか!? 仕事中のお菓子は出来るだけ控えてください!」
映美先生は世里子の勤務中のお菓子に呆れてるようだ。
世里子「大無田さん、よかったら一ついかが?」
裕子「学園長さん、とても有難いことですが、これは気持ちだけいただきます」
裕子の発言に驚く世里子。
世里子「あら、一つあげようと思ったけど、引っかからずに受け止めるなんてちゃんと教育をしてる、流石ね。」
映美「学園長! 生徒にお菓子をあげてたら問題になりますから!」
世里子「分かってます、一色映美先生、これはわざと言ってみただけですよ?」
映美「そうですか、ならいいですけど……」
裕子「あの……そろそろ本題に入っていいですか?」
裕子の発言に二人はすっかり忘れてしまったようだ。
世里子「あらごめんなさい、じゃあ、お話を始めて頂戴」
裕子「はい、私が作りたい部活はパレット部という部活です」
世里子「どんな部活なんですか?」
裕子「ボランティアを中心に活動します。ボランティアの依頼が来なかったら色について調べたり絵を描いたりします。」
黙々と聞いた世里子は口を開いた。
世里子「ボランティア活動を中心にやるのはいいことですが、絵を描くのは美術部をやることに似てしまうけど色について調べるのはとても興味深いわ」
と放ったうちに世里子は考え込んだ。そして……
世里子「いいでしょう、パレット部を作るの許可しましょう」
裕子「本当ですか?」
世里子「ただし条件は部員は高校生であること、そして、パレット部の顧問は一色映美、貴方が任せることね」
映美「分かりました、任せてください」
裕子「ありがとうございます!」
なんと!パレット部を創立許可を得ることができたのです!ボランティア活動が決め手になっただろう。
映美「それでは失礼しました」
裕子「失礼しました」
世里子「はい、またご用があったらいらっしゃい、そして裕子、パレット部の活躍を楽しみにしていますよ?」
裕子「はい! ありがとうございました!」
裕子と映美先生は学園長室を後にしたのだった。
職員室の前で裕子と映美は少しお話をした。
映美「裕子、よかったな、そして、パレット部の顧問としてやることになった。よろしくな」
裕子「はい、よろしくお願いします、そして、お付き合いありがとうございました」
映美「本当は駄目だが、裕子が本気の眼差しで言ったからこれは大丈夫だなと思った」
どうやら映美先生は裕子の眼差しに惹かれて作ってやろうと思ったようだ。
映美「裕子、これは始まったばかりだ、部員を裕子を含めて五人を集まらないと部活にならない、そうと決まれば明日から部員を集めろ」
裕子「はい」
映美「部員を五人集まったら私に報告しろ、分かったな?」
裕子「はい、分かりました、部員集め頑張ります!」
これがパレット部の始まり、裕子は明日から部員集めに取り掛かるのだった……
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