まぶしい
彼女について語りたい。
彼女はいつも人間の良いところを見て、まっすぐに前を見ている。それは私にはできなくて。人の黒いところばかりを見て育った私には人がそんなに人が美しいものには見られなかった。
いつだったか、彼女は言ってくれた。
「貴方がまっすぐ前を向いてどんどん進んでいくところが好きだよ」
と。
俺は人の明るい部分を見て、悪く言えば世間知らずな彼女が、私のことをそんなふうに見てくれているとは思えなかった。いつも私は人を悪く見て信用なんてできなかったしできないし。
彼女は少し俺には眩しすぎた。でもそんな彼女のことが好きで、離れたくなくて、離れられないで。
いつも俺のことを褒めて感謝してくれて、応援してくれて。どれだけ心が救われたか。きっと彼女にはわからないんだろう。それはそれで仕方ない。
同じ地球という星の日本という国で生まれたけど、全く違う環境で育って来たのだから。彼女は親に愛されて、たくさんの友達がいて。それも俺には眩しかった。親もいなくて、不器用な私にはないものをたくさん持っている彼女。でもきっと彼女から見た私にもないものを感じるのではないか。そう思うと少し救われる。
彼女の笑顔が好きだった。なんてことないことでも、嬉しいととびっきりな笑顔を見せてくれた。
表情豊かなところも好きだった。出会ったころより怒ったり、泣いたり。泣かせた私が悪いのはわかってるけど。でもそんな彼女も好きだった。
俺が泣いてるといつもすぐ横に来てくれる。俺は心にたくさんの傷(自分で言うことじゃないけど)があって、なんてことないことで泣いてしまう子どもで。そんな私を安らげてくれるのはいつも彼女だった。
きっともう彼女と俺が袂を分かつことはないのだろう。
だって彼女が好きだから。
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