第97話、異世界オリンピックには、リスク管理こそ肝要で⁉

 ──現代日本の推定三千万人の、異世界転生希望の、ヒキオタニートのお兄ちゃん&お姉ちゃん、こんにちは☆


 実は『ツンデレ気味の妹(しかも幼女)』という、あざといキャラ付けでお馴染みの、『転生法』だよ!




 ……はい。


 本作の全編の冒頭において、現在の『コロナ禍』なんて影も形も無い段階から、今更日本でオリンピックを開催することに対する『危惧』を表明していた本作ですが、それでもびっくり仰天いたしました。



 ──いや、何だよ、『段ボールベッド』って⁉



 外国のオリンピック選手団の皆様に対して、東京名物の『ホームレス』の体験学習でもしてもらうつもりかよ⁉


 それとも『災害大国日本』をアピールするための、防災用仮設住宅のモデルルームだったりするのかよ⁉



 いやいやいやいや、これは無いよな、絶対に!


 実を言うと、本作の作者としては、『新型コロナウイルス対応のワクチン接種』を政府に全力で押し進めさせるためにも、オリンピック開催を『ダシ』にするのも構わないと思い始めていたのですが、いややっぱ現在の日本に、オリンピックを開催させちゃ駄目だわ。


 たぶん、わざわざ『段ボールベッド』なんかにしたのも、『環境問題』とか『費用対策』とか、何らかの理由があったんでしょうけど、こればっかりはまったく擁護不可能よ!



 これって、外国選手の皆様から、絶対不評を食らうでしょう?



 なんか、サイズも小さいし、寝心地も良さそうには見えないしで、下手すると『嫌がらせ』と受け取られても仕方ないでしょうよ。


 ていうか、アスリートにとっては、何よりも『睡眠』こそが大切なんだから、こんなわけのわからないベッドをあてがわれたのでは、国を挙げての『妨害工作』と見られても、言い訳できないんじゃないの?



 ……ホント、この件に関しては、責任者をとっ捕まえて、これのどこが『おもてなし』なのか、三日三晩問い詰めたいくらいよねえ。




 ──はい、とても我慢ならず延々と文句を垂れましたが、一体何が『問題』かと申しますと、


「おまえら、オリンピックなどという大事業をしようと言うのに、『リスク管理』がなっていないんだよ⁉」


 ──と、言うことなのよ!




 もしかしたら、もしかしたらよ?


 こんな段ボールベッドを、オリンピックの海外招待選手の宿舎に使うことにしたのも、『環境問題』や『国民の税金を財源とするオリンピック費用のコスト削減』などの、何らかの『理由』があるのかも知れないわ。


 しかし、しかしよ?



 ──これ絶対、海外選手の皆さんから、クレームがつくじゃん?


 ──内外のマスコミが、ネガティブな方向で、世界中に広めてしまうじゃん?


 ──世界中の一般の人々から、笑い物になってしまうじゃん?


 ──これまでオリンピックの開催を支持してきた、本物の愛国者の皆様さえも、心底あきれ果てて見放されてしまうじゃん?



 何でそんなことも、わからないのかしら?


 オリンピックなんて大事業を開催するつもりなら、これくらい事前に予想していて、『海外選手のベッドを段ボールで作る』とか、どう考えても『リスキー』なことなんか、絶対にしては駄目なのよ!




 ──いえ、違うわね。




 元々『オリンピック』なんていう、世界一『リスキー』なものを、この不安定な時代に、さほど『メリットが無い』というのに開催しようとした、日本国の上層部そのものが、『無能の極み』なのよ!




 すでにご存じの通り、本シリーズにおいては第1話からすでに、『東京オリンピック』に対して『開催反対』の旗色を明らかにしていたわ。


 ただし、それこそ本作や作者の別作品である『わたくし、悪役令嬢ですの!』をお読みの方であれば、この作者が自他共に認める『(ちょっと過激な)愛国者』であることは、十分ご承知のことでしょう。


 それなのに、今や愛国心の象徴とも言える『東京オリンピック』に対して、どうして本シリーズの冒頭で、明確に『反対』の意を表したのか、おわかりになられますでしょうか?



 ……もしもここで、


 実は本作の作者が、


 日本が『コロナ禍』なんかに見舞われることを、誰にも予想だにできなかった、本シリーズ第1話の作成時の段階で、


「オリンピックを巡って、現在のような状況になることがわかっていた」と言ったら、


 果たして信じていただけるかしらねえ?




 うふっ、


 うふふ、


 うふふふふ、


 うふふふふふふふふ、




 ──あはははははははははははははははははははははっ!!!




 どう、びっくりした?


 もちろん、そのままズバリ、現在の『コロナ禍』のような状況を、完璧に予測していたわけでは無いわよ?


 でも、オリンピックの運営主体の方々にとって、これほどまでに空前の大ピンチに陥ってしまう『可能性がある』ことは、十分予測していたの。


 どうして、そんなことができたかと言うと、




 ──本作の作者の小説づくりにおける最大のテーマの一つが、『リスク管理』だからなの。




 例えば初期作品の『最も不幸な少女の、最も幸福な物語』なんて、『不幸な未来の予知』しかできなかった巫女姫が、ずっと世間から迫害されていたんだけど、名将と呼ばれる戦国武将に『軍師』として雇われてからは、彼の『いくさにおける不幸』を前もって予測することによって、それに対する十分な対策を練って実際の戦闘に挑めるようになり、それ以来『連戦連勝』を重ねて、彼をその地方の覇者にまで登り詰めさせることを成し遂げたという、「リスク管理こそが、軍事や経営や政治等々の戦略において、最も重要なファクターなのだ」と言うことこそをテーマにしていたの。




 それでね、そういった視点に立脚すると、今更日本でオリンピックを開催するなんて、ほとんどメリットは無いと言うのに、失敗した際にはリスクが大き過ぎるので、絶対に手をつけてはいけなかったのよ。




 例えば、昭和時代に開催された東京オリンピックの場合なら、『高度経済成長への起爆剤』という大義名分メリットがあったから、少々のリスクが存在しようが、開催する意義は十分にあったの。


 それに対して、この現在の経済成長が行き着く所まで行ってしまって、『国民の豊かさ』を十二分に実現している日本において、新たにオリンピックを開催することに、何のメリットが有るとでも言うのかしら?


 もちろん、各種土木工事等を大量に行って、政府御用達のゼネコン勢力を儲けさせることによって、回り回って国民にとっても多少の利益は見込めたでしょう。


 でもそれは、何か重大な『災難』が起こる可能性を無視しても、強行すべきことだったかしら?


「がはははは! 『重大なる災難』とは、一体何のことだ? そんなものが、そう易々と、起こったりするものか! そんなことよりも、ゼネコンを儲けさせて、次の選挙も安泰だ!」




 ──はい、『コロナ禍』が起こりました。


 今やオリンピック運営主体に対しては、非難囂々の有り様デースwww




 そりゃあもちろん、『コロナ禍』なんて、誰にも予測できなかったでしょう。


 はっきり言って、『運が悪かった』としか、言えないでしょう。




 でもね、このような『災難に見舞われる』ことも、十分に予測して、様々な政治的戦略を練れてこそ、真の国家指導者であり、真の政治家というものなのよ。




 うちの作者のような三文Web小説家ですら、十分予測できたことなのに、ホント、この国の政治家は、与党も野党も能無しばかりよね。


 何だったら、うちの作者が、政府の政策顧問をやってあげましょうか?


 年間契約料は、『一億円』といったところでどう?


 すべての国会議員の中で、まともに使えそうな『常識的思考の持ち主』が、某党所属の丸○穂高議員くらいの惨憺たる現状においては、彼に匹敵する『鬼謀』を提言できる本作の作者は、大いに役立つと思えるけど?







 ──まあ、冗談はこのくらいにしておいて、


 今回長々と述べてきたことが、本作『転生法』の最大のテーマである『異世界転生』に、どう関わってくるかと申しますと、


『なろう系』作品にこそ、この『リスク管理』の視点は、是非とも必要だと思うのよ。


 本作の作者が知る限り、こうした『リスク対策を優先した政治ドラマ』って、ほとんど見受けられないのよねえ…………。


『カクヨム』様の初アニメ化作品である『慎○勇者』なんかは、そのタイトルからして、読む前には非常に期待していたんだけど、あくまでも主人公さんの性格や過去の出来事の問題レベル止まりで、『政策的なリスク回避』の話なんかでは無く、心底がっかりさせられたわ。


 ──とはいえ、話自体はむちゃくちゃ面白かったし、主人公カップルの過去の真相には、思わず涙しちゃったくらいだから、作品としては大満足よ!


 アニメ二期をいつまでも楽しみにしていますから、制作スタッフの皆様は、どうぞ頑張ってくださいね♡




 ──と言うわけで、他に実行する人がいないのなら、自分自身でやってみようということで、近いうちに本作の作者が、これぞ『リスク回避をテーマにした、なろう系』といった作品を作成するつもりでおりますので、完成の暁には、是非ともご一読のほど、よろしくお願いいたしますわ♡

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